【解説】資格外活動許可とは?留学生のYouTube収益や休学中のアルバイトの注意点を解説
外国人が日本で認められた在留資格(ビザ)以外の活動で収入や報酬を得る場合、「資格外活動許可」を受ける必要があります。しかし、「どのような活動が許可を必要とするのか」「どのようなケースで就労が制限・禁止されるのか」について、正しく理解しておくことが重要です。
本記事では、資格外活動許可の基本的な考え方と、誤解されやすい具体事例(YouTuber活動・休学中の就労・家族滞在での就労)について分かりやすく解説します。

1. 資格外活動許可の基本ルール
資格外活動許可とは、出入国管理及び難民認定法(入管法)第19条第2項に基づき、現在所有している在留資格の本来の活動を阻害しない範囲内で、異なる収入事業や報酬を得る活動を行うことを許可する制度です。
許可が必要となる判断基準
許可が必要かどうかは、行おうとする活動が「① 収入を伴う事業を運営する活動」または「② 報酬を受ける活動」(あわせて「就労」)に該当するかどうかで判断されます。
- 収入事業の運営: 一定の目的をもって同種行為を反復継続して行う「事業」であり、かつ収入を伴うもの。
- 報酬を受ける活動: 一定の役務(サービス)を提供し、その対価として報酬を得るもの。
※単発的・臨時的な活動(日常生活に伴う臨時報酬など)や収入を得ない活動については、資格外活動許可を受ける必要はありません。
2. ケース別解説:許可の要否と注意点
【ケース1】留学生がYouTubeやSNSに動画を投稿して広告収入を得る場合
結論:資格外活動許可が必要
- 解説: 留学生が毎週など定期的に動画を投稿し、閲覧数に応じて収入を得る行為は、「事業として反復継続して行われ、収入を伴うもの」とみなされます。そのため、「収入を伴う事業を運営する活動」に該当し、事前に資格外活動許可を取得する必要があります。
- 補足: 単発的な投稿による臨時収入であれば原則として許可は不要ですが、反復継続性が認められる場合や本来の「留学」活動に支障をきたす恐れがある場合は許可が必要となります。
【ケース2】「留学」ビザの大学生が休学中にアルバイトをする場合
結論:資格外活動許可があっても就労不可
- 解説: 資格外活動許可に基づく就労は、あくまで「現在の在留資格に応じた本来の活動を行っていること」が前提です。「留学」の在留資格は「教育機関において教育を受ける活動」を行うためのものです。
- 注意点: 休学期間中は学校に「在籍」してはいるものの、「教育を受ける活動」を行っていません。そのため、本来の活動を遂行していない状態となり、資格外活動許可を持っていたとしても就労を行うことはできません。(※退学や卒業後も同様に就労不可となります)
【ケース3】「家族滞在」ビザの人が個別許可をとってフルタイムで働く場合
結論:個別許可を受けてもフルタイム就労は不可(在留資格変更が必要)
- 解説: 「家族滞在」の在留資格は、扶養を受ける配偶者や子として行う日常的な生活活動を目的とするものです。
- 注意点:
- 週28時間を超える就労が認められる「個別許可」を取得できる場合であっても、フルタイムで働いてしまうと「扶養を受ける者」としての実態を失ったり、在留目的が「家族滞在」ではなく「就労」そのものに変わってしまいます。
- したがって、フルタイムで勤務したい場合は、資格外活動許可ではなく「技術・人文知識・国際業務」などの就労可能な在留資格への変更手続きが必要となります。
3. まとめ・実務上の重要ポイント
資格外活動許可を利用・申請する際は、以下の原則を常に確認することが重要です。
- 本来の在留資格の活動が主であること: 本来の活動を行っていない場合や、資格外活動によって本来の活動が疎かになる場合は許可されません。
- 在留目的が変わる場合は資格変更が必要: フルタイム勤務や事業の拡大(法人の設立・従業員の雇用など)を行う場合は、資格外活動許可の範囲を超え、適切な就労ビザ等への変更手続きが必要です。
適切な運用や手続きのためにも、活動の形態や在留資格の要件をしっかり確認しておきましょう。
資格外活動許可 よくある質問(FAQ)
Q1. 包括許可と個別許可の違いは何ですか?
- 包括許可: アルバイトなどを想定したもので、勤務先を特定せず「1週間で28時間以内」(学校の長期休業期間中は1日8時間以内)の就労を包括的に許可するものです。主に「留学」や「家族滞在」の在留資格を持つ人が対象です。
- 個別許可: インターンシップや、週28時間を超える就労、あるいは他の就労資格に該当する活動を行う場合に、勤務先や事業内容、活動内容を個別指定して許可を受けるものです。
Q2. 単発(1日だけ)の単発バイトや謝金をもらう活動でも許可が必要ですか?
原則として、業として行うものではない講演に対する謝金や、日常生活に伴う臨時の報酬であれば資格外活動許可は不要です(入管法第19条第2項)。 ただし、単発であっても反復継続して行う意図がある場合や、本来の在留資格の活動(学業など)に支障をきたす可能性がある場合は許可が必要になることがあります。
Q3. 「留学」から卒業したあと、就職が決まるまでの間にアルバイトを続けてもよいですか?
いいえ、できません。 資格外活動許可は、あくまで「現在の在留資格(留学)の活動を行っていること」が前提です。卒業した時点で「教育機関で教育を受ける活動」は終了しているため、在留期間が残っていたとしてもアルバイトを行うことはできません。 (※「特定活動(継続就職活動)」への在留資格変更手続きを行い、別途資格外活動許可を得れば就労可能です)
Q4. 資格外活動許可があれば、どんな仕事でもしていいですか?
いいえ、風俗営業等での就労は厳しく禁止されています。 キャバクラ、ホストクラブ、パチンコ店、ゲームセンター、麻雀店、性風俗に関連する店舗等での就労(清掃や厨房などの裏方作業も含みます)は、資格外活動許可の対象外であり、違法就労(資格外活動違反)となります。
Q5. 週28時間の計算は、いつからいつまでの1週間ですか?
入管法上の「1週間」は、「どの曜日から起算しても常に過去7日間が28時間以内」である必要があります。 例えば、「月曜〜日曜」の単位だけでなく、「水曜〜翌週火曜」のどこをとっても28時間を超えてはいけません。掛け持ちでアルバイトをしている場合は、全ての勤務先の労働時間を合計して28時間以内にする必要があります。
Q6. 自分で会社(法人)を設立して事業を始める場合も資格外活動許可で対応できますか?
いいえ、資格外活動許可では対応できません。 新たに会社(法人)を設立したり、従業員を雇って事業所を設けるような本格的な事業運営を行う場合は、在留目的が実質的に変更されているとみなされます。そのため、資格外活動許可ではなく「経営・管理」などの就労ビザへの在留資格変更が必要です。
まとめ
本記事では、資格外活動許可の基本的な考え方と、誤解しやすい具体例(YouTuber活動、休学中の就労、家族滞在のフルタイム勤務など)について解説しました。
資格外活動許可を利用する際は、以下の重要ポイントを常に頭に入れておきましょう。
- 本来の在留資格の活動(学業や家族生活など)が最優先
- 休学や卒業で本来の活動を行っていない期間は、許可があっても就労不可
- フルタイム勤務や事業拡大など、在留目的自体が変わる場合は在留資格の変更が必要
「うっかりルール違反をしてしまった」という場合でも、不法就労とみなされて将来のビザ更新や変更に悪影響を及ぼす恐れがあります。活動内容や就労時間に不安がある場合は、事前に出入国在留管理局や専門家に相談し、適切かつ適法に手続きを行いましょう。
代表行政書士
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・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。


