【行政書士解説】外国人材が転職活動中に在留期限が切れるときの対処法!自己都合退職時の注意点も網羅
日本の企業で働く外国人材が転職活動を行う際、最も注意すべきリスクの一つが「転職活動中の在留期限切れ(オーバーステイ)」です。
就職活動に没頭するあまり在留期限の更新手続きを失念したり、間違った認識のまま放置したりしてしまうと、最悪の場合は不法滞在となり、今後の日本での滞在や就労に重大な影響を及ぼします。
本記事では、申請取次行政書士の立場から、転職活動中に在留期限が迫った際の正確な手続きと注意点について解説いたします。

転職活動における在留期限の基本ルール
日本に滞在するすべての外国人の方は、指定された在留資格および在留期間の範囲内で生活・就労することが義務付けられています。
前職を退職した後に転職活動を行う場合であっても、現在の在留期限を超えて無申請で滞在することは認められません。 期限が到来する前に、ご自身の状況に応じた適切な入管手続きを行う必要があります。
1. 転職活動で選べる手続きと選択肢
転職活動の進捗状況および「退職の経緯」によって、選択すべき手続きが異なります。
①【会社都合退職等の場合】「特定活動(継続就職活動)」への変更
現在の就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」など)で働いていた方が、会社の倒産や解雇、人員整理など「会社都合」で離職した場合に限り、転職活動を継続するための「特定活動(継続就職活動)」への在留資格変更許可申請が認められる傾向にあります。
- 在留期間: 原則6ヶ月(要件を満たす場合、最大1年まで延長可能な場合があります)
- 対象: 会社都合等による離職者、または日本の大学・専門学校等を卒業した留学生
- 主な許可要件:
- 会社都合離職であることを証明できること(離職票や退職理由証明書等)
- 継続的かつ具体的に転職活動を行っている実績があること(ハローワークカードや面接案内等)
- 滞在期間中の生活費を維持できる資産や資金計画証明があること
【重要】自己都合退職に関する注意点
自己都合(自主退職)で離職した場合、原則として就職活動目的での「特定活動」への変更は許可されません。 「次の仕事が決まっていない状態で計画性なく退職した」と判断されるためです。自己都合退職の方は、現在の在留期限内に次の就職先を決定させるか、期限内に一度出国する必要があります(※病気やハラスメント等、やむを得ない事情による退職で客観的立証ができる場合を除く)。
②【内定が決定している場合】「在留資格変更」または「在留期間更新」
在留期限内に新しい採用先が決まった場合は、速やかに以下の手続きを行います。
- 従事する業務内容が変わる場合: 「在留資格変更許可申請」が必要です。
- 同じ職種・同範囲の在留資格の場合: 「在留期間更新許可申請」を行います。
【ポイント:特例期間の適用】
在留期限が満了する日までに申請が適正に受理されれば、「特例期間」が適用されます。これにより、処分結果が出るか、あるいは期限から2ヶ月が経過する日のいずれか早い方まで、引き続き合法的に日本に滞在することが可能です。
③【期限内に内定が決まらない場合】一時帰国とCOE再申請
自己都合退職などで「特定活動」への変更ができず、期限内に内定も獲得できない場合は、オーバーステイになる前に一度本国へ出国しなければなりません。出国後に転職活動を継続し、内定取得後に受け入れ企業を通じて「在留資格認定証明書(COE)」の交付申請を行い、再入国する流れをとります。
2. 実務上の注意点と法令遵守
実務において特にトラブルとなりやすいポイントです。
14日以内の「所属機関に関する届出」
退職後14日以内に出入国在留管理局へ「所属機関に関する届出(離職届)」を提出する必要があります。これを怠ると、後の変更申請や更新申請の審査において不利益を被る可能性があります。
資格外活動許可なしでの就労禁止
会社都合等で「特定活動」へ変更できた場合でも、原則として即座に就労することはできません。生活費確保のためにアルバイト等を行う場合は、必ずあらかじめ「資格外活動許可」(週28時間以内)を取得する必要があります。
3. スムーズな手続きのためのスケジュール
【在留期限の2〜3ヶ月前】
├ 転職活動の進捗確認および退職理由の整理(自己都合か会社都合か)
└ 会社都合の場合:「特定活動」への変更書類の準備開始
【在留期限の1ヶ月前まで】
├ (会社都合離職)出入国在留管理局へ「特定活動」変更申請を提出
└ (内定あり)「在留資格変更」または「在留期間更新」申請を提出
【在留期限当日】
└ 申請受領印(特例期間の記載)の確認
オンライン申請の場合
オンラインで申請した場合は、受付印の代わりに「申請完了メール」やマイページ上の「受付番号」が特例期間の証明になります。メールやマイページ画面を保存・印刷して携帯します。
4. 転職活動中のビザに関するよくある質問(Q&A)
Q1. 会社を退職したら、転職活動中でもすぐにビザを変更しなければなりませんか?
A. すぐに変更する必要はありません。現在の在留期限に余裕があれば、そのまま転職活動を続けられます。
ただし、退職後14日以内に「所属機関に関する届出(離職)」を出入国在留管理局(入管)へ提出する必要があります。また、正当な理由がなく3ヶ月以上就労活動を行わないと「在留資格取消」の対象となる可能性があるため、ハローワークへの登録や面接履歴など、継続して転職活動を行っている客観的な実績を残しておくことが重要です。
Q2. 自己都合で退職した場合、転職活動用の「特定活動」ビザへ変更できますか?
A. 原則として不可(変更できません)です。
就労ビザ所持者が「特定活動(継続就職活動)」へ変更できるのは、主に「会社都合(会社の倒産、解雇、人員整理など)」による離職の場合や、日本の大学・専門学校等を卒業した留学生に限られます。自己都合退職の方は、現在の在留期限内に次の就職先を決定して「変更・更新申請」を行うか、期限内に一度出国する必要があります。
Q3. 在留期限の当日に新しい転職先が決まりました。間に合いますか?
A. 期限当日に申請が受理(受付)されれば間に合います。
在留期限満了日までに「在留資格変更許可申請」または「在留期間更新許可申請」が入管の窓口(またはオンライン)で適正に受理されれば、「特例期間」が適用されます。これにより、処分結果が出るか、あるいは期限から2ヶ月が経過する日のどちらか早い方まで、引き続き合法的に日本に滞在できます。
Q4. 退職後にアルバイトをして生活費を稼ぐことはできますか?
A. 資格外活動許可がない状態でのアルバイトはできません。
前職を退職した時点で本来の就労活動を行っていないため、無許可でアルバイトを行うと「資格外活動(不法就労)」となるリスクがあります。会社都合退職等で「特定活動」へ変更した後にアルバイトを行う場合は、必ずあらかじめ「資格外活動許可」(週28時間以内)を取得する必要があります。
Q5. 転職先が決まった場合、勤務を開始する前に必要な手続きは何ですか?
A. 職種(業務内容)によって手続きが変わります。
- 職種が変わる場合(例:営業職からITエンジニア等): 新しい会社で働き始める前に「在留資格変更許可申請」を行い、許可を得る必要があります。
- 同じ職種・同じビザの範囲内の場合: 勤務開始自体は可能ですが、在留期限の更新時にスムーズな審査を受けるため、または就労可能であることを証明するために「就労資格証明書」の交付申請を行っておくことを強くお勧めします。
まとめ・専門家へのご相談をおすすめします
転職活動中のビザ手続きは、退職理由の立証や在留資格の適合性判断など、専門的な知識が必要とされる場面が多くあります。誤った認識で手続きを遅らせてしまうと、日本でのキャリアを中断せざるを得ない事態に陥ります。
「自分の退職理由で特定活動への変更が狙えるか確認したい」「在留期限が迫っていて対応に困っている」といったお悩みやご不安がございましたら、申請取次行政書士等の専門家へ早めにご相談いただくことをお勧めいたします。
【ご相談・お問い合わせ】
当事務所では、外国人材の就労ビザ変更・更新手続きや、雇用企業様向けのビザコンサルティングを承っております。お気軽にお問い合わせください。
代表行政書士
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・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。


