【2026年最新】在留資格ごとに必要な日本語レベル一覧!JLPT・JFTの基準と特定技能1号・2号の違いを解説
在留資格の取得や更新、特に「特定技能」や「高度専門職」、「永住者」などの申請においては、求められる日本語能力のレベルがあらかじめ設定されています。
本記事では、主要な在留資格ごとに必要な日本語レベルと、その基準となる各種試験の指標について分かりやすく解説します。
主要な日本語能力試験の基準(JLPT と JFT-Basic)
在留資格の要件として最も一般的につかわれているのが、日本語能力試験(JLPT)と国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)です。
- JLPT(N1〜N5)
- N1: 幅広い場面で使われる日本語を理解することができる(ビジネス上級・専門的レベル)
- N2: 日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる(一般的なビジネスレベル)
- N3: 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる(日常会話〜橋渡しレベル)
- N4: 基本的な日本語を理解することができる(簡単な日常会話レベル)
- N5: 基本的な日本語をある程度理解することができる(初級レベル)
- JFT-Basic
- 主に特定技能1号の評価に用いられるテストで、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)のA2レベル(生活に支障がない程度の日本語能力)と同等と評価されます(JLPT N4相当)。
在留資格ごとの要求日本語レベル一覧
1. 特定技能(1号・2号)
- 特定技能1号: JLPT N4以上、または JFT-Basic(A2レベル合格) が必須です。生活や業務に大きな支障がない程度の基礎的な会話力が求められます(※介護分野では「介護日本語評価試験」も追加で必要)。
- 特定技能2号: 制度上、一律の試験合格が必須条件として明記されていない分野もありますが、熟練した技能とともにJLPT N3〜N2レベル相当の高度なコミュニケーション能力が実務上要求されます。
2. 技術・人文知識・国際業務(技人国)
- 要求レベル: 明確な試験級の必須要件はありませんが、実務上JLPT N2以上(翻訳・通訳業務などの場合はN1)が望ましいとされています。
- 背景: 企業のオフィスワークや技術職としての就労になるため、社内コミュニケーションや業務書類の読解がスムーズに行えるレベルが期待されます。
3. 技能実習
- 入国時: 職種によりますが、原則として特別な資格証明は不要な場合が多いです(介護職種のみ入国時N4以上が必要)。
- 実習継続・移行時: 介護職種の場合、2年目への移行時にN3相当の合格が条件となります。
4. 高度専門職
- 要求レベル: ポイント制による優遇措置がとられており、日本語能力に応じてポイントが加算されます。
- JLPT N1(または日本の大学卒業): 15ポイント
- JLPT N2: 10ポイント
- ポイントを積み重ねることで、永住許可申請までの在留期間短縮などの特典が得られます。
5. 永住者(永住許可申請)
- 要求レベル: 明確な「N◯以上」という試験要件はありませんが、日本での定住性や社会的自立を審査されるため、日常会話レベル(N3〜N2程度)の理解力と、行政手続きや面接等で支障をきたさない日本語力が実質的に求められます。
まとめ
日本での就労や長期滞在を目指す場合、まずはJLPT N4(日常会話レベル)がスタートラインとなり、就労ビザでのキャリアアップや高度な業務を目指す場合はJLPT N2〜N1が大きな強みとなります。自身の目指す在留資格に合わせて、計画的に試験対策を進めることが大切です。
在留資格と日本語レベルに関するよくある質問(FAQ)
Q1. JLPT以外の日本語試験でも在留資格の申請に使えますか?
- 使えます。 例えば「特定技能1号」では、JLPT(N4以上)のほかにJFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)が利用できます。また、BJTビジネス日本語テストなども一部の就労ビザや高度専門職のポイント算定で認められる場合があります。
Q2. 日本の大学や専門学校を卒業していれば、JLPTの合格証は不要ですか?
- 免除や優遇される場合があります。 日本の高等教育機関(大学・短期大学・専門学校等)を卒業している場合、「技術・人文知識・国際業務」などの申請において一定の日本語能力があるとみなされるケースが多いです。また、高度専門職のポイント計算(N1相当として15pt加算)でも日本の大学卒業実績が活用できます。
Q3. 特定技能1号から2号へ移行する際、日本語試験の再受験は必要ですか?
- 原則不要です(分野ごとの実務試験が中心となります)。 特定技能2号への移行では、日本語試験の級数よりも「熟練した技能」を証明するための実技・学科試験や現場での実務経験(班長としての監督経験など)が重視されます。ただし、現場での指示出しができる高いコミュニケーション能力は実質的に不可欠です。
Q4. 介護分野だけ日本語の条件が厳しいのはなぜですか?
- 利用者の生命・安全に直結し、コミュニケーションが重要視されるためです。 技能実習や特定技能1号のいずれにおいても、他職種に比べて入国時・移行時の日本語要件(N4〜N3レベルや介護日本語評価試験)が明確に設定されています。
Q5. 永住許可申請で日本語能力の証明書(JLPTの合格証)は必須書類ですか?
- 必須提出書類ではありません。 ただし、審査プロセスにおいて日本社会への定着性や生活能力が確認されるため、実質的に日常的な読み書き・会話ができるレベル(N3〜N2程度)が望まれます。書面での証明が求められなくても、行政窓口でのやり取りや理由書の記載内容を通じて一定の日本語力が測られます。
Q6.特定技能1号と2号の日本語要件および申請要件の違いを詳しく教えてください。
特定技能1号と2号は、主に「技能の習熟度」「在留期間」「家族帯同の可否」などの面で大きく運用が異なります。
要件と実務上の重要ポイントの違いを比較表と項目別で詳しく解説します。
特定技能1号と2号の比較一覧表
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
| 想定されるレベル | 相当程度の知識・経験を必要とする技能(即戦力) | 熟練した技能(現場のリーダー・監督者クラス) |
| 日本語要件 | JLPT N4 または JFT-Basic(A2相当) 以上 (介護分野は+介護日本語評価試験) | 原則、試験不要 ※一部分野(外食・漁業等)はN3以上が必要。なお、制度変更により2027年4月以降は全分野でB1(N3相当)以上が義務化予定。 |
| 技能要件(試験) | 1号評価試験合格 (※技能実習2号を良好修了した場合は免除) | 2号評価試験合格 + 実務経験(現場での指導・監督経験等) |
| 在留期間の上限 | 通算 最長5年 | 更新上限なし(要件を満たす限り無制限) |
| 家族帯同 | 不可(配偶者・子の帯同は原則認められない) | 可能(配偶者および子) |
| 受入機関の支援義務 | 義務あり(生活・業務面のフル支援計画を作成・実施) | 支援義務なし(自立して生活できる前提) |
| 永住許可申請へのカウント | 1号としての在留期間は「就労5年」の要件に含まれない | 2号としての在留期間は永住要件の「就労5年」に含まれる |
主要な要件における具体的な違い
1. 日本語能力要件の違い
- 1号: 入国・申請時にJLPT N4以上またはJFT-Basic合格が必須となります。日本語試験に合格していない場合、原則として在留資格は取得できません(技能実習2号からの移行時は試験免除)。
- 2号: 現行制度では原則として日本語能力試験の合格証明は不要です(※外食業や漁業など一部の分野を除く)。ただし、2号の技能試験自体が日本語で実施されることや、現場での管理・指導能力が問われるため、実質的にはN3〜N2レベルのコミュニケーション力が求められます。
- 注記事項: 制度の見直しに伴い、2027年4月1日以降の2号申請においては、全分野でB1相当(JLPT N3相当)以上の日本語能力の証明が必須化される方針となっています。
2. 技能・実務経験要件(試験)の違い
- 1号: 各分野が実施する「1号評価試験」に合格するか、旧「技能実習2号」を良好に修了することで要件を満たします。
- 2号: 難易度の高い「2号評価試験」への合格に加え、「一定期間の実務経験(現場での工程管理や班長としての指導・監督経験)」が申請条件として明確に求められます。1号での実務を通じてキャリアアップした人材が対象となります。
3. 支援体制と受け入れ企業の負担
- 1号: 受け入れ企業(特定技能所属機関)または委託を受けた「登録支援機関」が、出入国時の送迎、住居確保、銀行口座開設、日本語学習の機会提供などの法定支援を実施する厳格な義務があります。
- 2号: 外国人本人が日本国内で十分に自立して生活・就労できるとみなされるため、企業側に法的な支援義務や支援計画の作成義務はありません。
4. 在留資格としての到達点(キャリアパス)
1号は「最長5年間の時限的な就労」であるのに対し、2号へ変更することで更新制限がなくなり、配偶者や子供を呼び寄せることが可能になります。さらに2号で5年以上働いた期間は永住許可申請の就労期間としてカウントされるため、将来的な永住権取得への道が開ける点が大きなメリットです。
Q7.試験はどこで受ければいいですか?
海外にいる本人が新たに日本へ入国するために「在留資格認定証明書(COE)」を申請する場合、試験は「現地(海外)の指定会場」で受けておくのが原則です。
すでに短期滞在などで日本に滞在している場合を除き、入国前(COE申請前)に現地で合格・取得しておく必要があります。
受験できる場所と実施場所(海外)
1. 日本語能力試験(JLPT)
- 受験場所: 世界約90〜100の国・地域の主要都市(各国の大学や国際交流機関が現地会場となります)。
- 補足: 年2回(7月・12月)のみ実施のため、COE申請のスケジュールに合わせて早めに受験しておく必要があります。
2. JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)
- 受験場所: 主に特定技能の送り出し国(フィリピン、インドネシア、ベトナム、ネパール、ミャンマー、タイ、カンボジア、モンゴル、スリランカ、ウズベキスタン、インド等)のプロメトリック・テストセンター。
- 補足: パソコン(CBT方式)で毎月開催されているため、日程の調整がしやすい試験です。
3. 各分野の技能評価試験(特定技能など)
- 受験場所: 上記の主な送り出し国のテストセンターにて実施されています。
注意すべきポイント
- 短期滞在(観光など)での日本受験: 制度上、短期滞在で訪日中に日本国内のテストセンターでJFT-Basicや技能試験を受験すること自体は可能です。ただし、COE交付申請手続きそのものは、現地にいる受入れ機関(企業や学校等)や取次行政書士が代理で行う形になります。
- 証明書の期限: COE申請時には、合格通知書や証明書の原本(または原本のPDFデータ等)の提出を求められるため、申請書類をそろえるタイミングまでに合格証が手元に届くよう調整が必要です。
Q8.申請予定の在留資格(特定技能や留学など)に合わせた、日本語試験の受験からCOE申請までの具体的なスケジュールを教えてください。
海外にいる外国人を呼び寄せるための「在留資格認定証明書(COE)」交付申請では、入国希望日の約6ヶ月〜8ヶ月前から準備を開始するのが理想的です。
在留資格(特定技能・留学・技人国)ごとの試験選定と標準的なタイムラインは以下の通りです。
全体プロセスの標準タイムライン(入国まで約6〜8ヶ月)
【Step 1】日本語・技能試験の受験・合格(入国6〜8ヶ月前)
↓
【Step 2】合格証の取得 & 申請書類の作成(入国4〜5ヶ月前)
↓
【Step 3】出入国在留管理局へCOE交付申請(入国3〜4ヶ月前)
↓ ※審査期間:約1〜3ヶ月
【Step 4】COE(証明書)の交付・現地へ送付(入国1ヶ月前)
↓
【Step 5】現地の日本大使館・領事館で査証(ビザ)発給 & 入国
在留資格別のスケジュール設計
1. 特定技能1号(おすすめ試験:JFT-Basic + 技能評価試験)
- 試験の選び方: JFT-Basic(毎月実施・CBT)を利用するのが最もスムーズです。JLPT(年2回)を待つより大幅に期間を短縮できます。
- モデルスケジュール(4月入社を目指す場合):
- 9月〜10月: 現地テストセンターでJFT-Basicおよび技能評価試験を受験。
- 11月: 試験結果(合格証)受領。雇用契約の締結、支援計画の作成。
- 12月: 入管へCOE交付申請(標準審査期間:約1〜3ヶ月)。
- 2月〜3月: COE交付。現地でビザ発給手続き・渡航準備。
- 4月: 入国・就労開始。
2. 留学(大学・日本語学校等)
- 試験の選び方: JLPTまたはNAT-TESTなど、学校側が指定する認定試験(通常N5〜N4相当以上)を受験します。
- モデルスケジュール(4月入学の場合):
- 7月または12月: 前年(あるいは前々年)のJLPTを受験。
- 9月〜11月: 出願書類とともに日本語能力の証明書を提出。
- 11月〜12月: 学校が取りまとめて入管へCOEを代理申請。
- 2月下旬: 入管から学校へCOE交付。学費納付後、COEを受領。
- 3月: 現地大使館でビザ発給、渡航・入学。
3. 技術・人文知識・国際業務(技人国)
- 試験の選び方: 必須の試験要件はありませんが、実務上JLPT N2以上の合格証があると審査がスムーズになります(日本の大学卒業者は免除可能)。
- モデルスケジュール:
- 前年12月以前: JLPT N2/N1合格証を取得済み。
- 入社3〜4ヶ月前: 内定通知・雇用契約締結、会社側で申請書類の準備。
- 入社2〜3ヶ月前: 入管へCOE交付申請。
- 入社1ヶ月前: COE交付・ビザ発給・入国。
スケジュール組みの重要注意点
- COEの有効期限は「3ヶ月」 COEが交付されてから3ヶ月以内に日本へ入国する必要があります。交付後は速やかに現地でのビザ申請と航空券の手配を行ってください。
- 繁忙期(1月〜3月)の審査遅延 4月入学・入社に向けた申請が集中する年度末(1月〜3月)は、入管の審査に通常(1〜2ヶ月)よりも時間がかかる傾向があります。余裕を持って申請は11月〜12月頭までに済ませておくのが安全です。
まとめ:計画的な日本語学習と資格取得がキャリアアップの鍵
日本での就労や定住を目指す際、在留資格ごとに求められる日本語レベルを正確に把握しておくことが重要です。
- 生活・就労のスタートライン(特定技能1号など): まずはJLPT N4またはJFT-Basic(A2)の取得が必須となります。
- 専門職・オフィスワーク(技人国など): 実務上JLPT N2以上が望ましく、社内コミュニケーションの円滑化につながります。
- 長期的滞在・家族帯同(特定技能2号・永住者など): 2号への移行や将来の永住申請を見据える場合、実質的にN3〜N2レベル(B1以上)の高度な運用能力と現場での経験が求められます。
在留資格の要件を満たすだけでなく、日本での円滑な生活や職場でのキャリアアップを実現するためにも、自身の目標とするビザに合わせて計画的に日本語能力を高めていきましょう。
代表行政書士
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・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。

