【在留資格】法定調書合計表とは?ビザ申請での必要性・取得方法から未提出時の対応まで徹底解説
外国人雇用や就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」や「経営・管理」など)の申請・更新手続きで求められる「法定調書合計表」についての解説です。
法定調書合計表とは?
正式名称を「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」と呼びます。
企業が1年間(1月1日〜12月31日)に従業員へ支払った給与・報酬の総額や、源泉徴収した所得税の合計額などを集計し、税務署へ報告するために作成する国税関係の公的書類です。
出入国在留管理局(入管)が提出を求める理由
出入国在留管理局は、主に所属企業の規模・安定性・雇用実態を確認する目的でこの書類をチェックします。
- 企業の安定性・支払い能力の確認: 外国人従業員に対して適正かつ安定した給与を支払える財務体力があるかを判断します。
- 雇用の実態把握・ペーパーカンパニー排除: 実体のない会社による偽装雇用や不正取得を未然に防ぎます。
- 企業のカテゴリー判定: 入管の手続きでは、企業規模等に応じた「カテゴリー(1〜4)」が定められており、添付資料の範囲や審査の迅速化に直結します。
会社(受入機関)における取得・手配方法
「法定調書合計表」は、申請者個人が発行・取得する書類ではなく、受け入れ先の企業(雇用主)が用意する書類です。
毎年1月中旬〜下旬頃、前年分を集計して税務署へ提出された書類の「控え(写し)」を利用します。
具体的な入手手順
- 自社の経理担当者・総務担当者、または顧問税理士に連絡する
- 「在留資格(ビザ)申請のため、直近年度の『法定調書合計表』のコピーが必要」と伝えて手配を依頼します。
- 提出方法に応じた控え(写し)を取得する
- e-Tax(電子申告)で提出している場合: 送信データ・作成書類の控えと、税務署からの「受信通知(メールボックスの受付結果)」をセットで出力・準備します。
- 書面(郵送・窓口)で提出している場合: 合計表控えのコピーを取得します。
申請時の注意点
- 最新年度のものを提出する: 原則として、直近の1月31日までに税務署へ提出された最新の年度のものを使用します。
- 会社設立1年未満で実績がない場合: まだ最初の決算や年末調整を迎えておらず法定調書合計表が存在しない場合は、代わりに「給料支払事務所等開設届出書の控え」や直近の「給与支払報告書・源泉徴収簿の写し」などを補足資料として提出します。
- 社内情報の開示について: 本書類には会社全体の給与総額等の情報が含まれます。従業員本人に閲覧させたくない場合は、社内担当者から入管へ直接郵送するか、手配を委任している行政書士等を通じて提出することが可能です。
FAQ:法定調書合計表に関するよくある質問
Q1. なぜ個人のビザ申請なのに、会社の「法定調書合計表」が必要なのですか?
A. 出入国在留管理局(入管)が、受入企業の実態・安定性・給与支払い能力を確認するためです。
外国人本人の要件(経歴や学歴)だけでなく、就労先となる会社が適正に運営されており、契約通りの給与を継続して支払える財務体力があるかを判断する重要な基準となります。
Q2. 最新の法定調書合計表は、いつの時期のものを用意すればよいですか?
A. 原則として直近の1月31日までに税務署へ提出された最新年度(前年分)のものです。
- 例(2026年5月に申請する場合): 2026年1月に税務署へ提出した「2025年(令和7年)分」の合計表を用意します。
Q3. 会社を設立したばかり(設立1年未満)で、まだ法定調書合計表がありません。どうすればいいですか?
A. 設立1年未満で決算や年末調整を一度も迎えていない場合は、未提出であっても問題ありません。代わりに以下の書類を用意して提出します。
- 「給料支払事務所等開設届出書」の控え(税務署の受付印があるもの、またはe-Tax受信通知)
- 直近数ヶ月分の「給与支払報告書・源泉徴収簿の写し」や「労働保険成立届」の控えなど
Q4. e-Tax(電子申告)で提出しているため、紙の控えに税務署の「受付印」がありません。
A. e-Tax提出の場合は受付印が押されません。代わりに「提出した合計表データ(控え)」に「受信通知(メールボックスの受付結果)」を添付して提出すれば、受付印と同等の効力として認められます。
Q5. 法定調書合計表に記載されている企業の「カテゴリー」とは何ですか?
A. 入管では、受入企業の規模や信用度に応じて1〜4のカテゴリーに分類しています。
法定調書合計表の「源泉徴収税額」の金額によって、カテゴリー2または3に分かれます。
| カテゴリー | 主な対象企業 | 法定調書合計表の要件 |
| カテゴリー1 | 上場企業、官公庁、独立行政法人など | 提出不要(四季報の写し等で証明) |
| カテゴリー2 | 中堅・大手企業、優良中小企業 | 源泉徴収税額が1,000万円以上 |
| カテゴリー3 | 中小企業、個人事業主など | 源泉徴収税額が1,000万円未満(合計表の提出が必要) |
| カテゴリー4 | 新設会社、非課税団体など | 法定調書合計表を提出できない企業 |
※カテゴリー1および2に該当する企業は、提出書類の大幅な簡素化や審査期間の短縮といった優遇措置を受けられます。
Q6. 全社の給与総額などが書かれているため、申請者本人に見せたくありません。
A. 会社側の機密情報が含まれるため、本人に見せない形で提出することが可能です。
- 直接郵送: 会社から入管へ「ビザ申請番号・申請者名」を明記した封筒で直接郵送する。
- 行政書士へ依頼: 申請を代行する行政書士へ直接手渡し、入管へ提出してもらう。
Q7. 源泉徴収税額が「0円」や非常に少額なのですが、審査に影響しますか?
A. 赤字決算や猶予等により税額が0円であっても、それだけで不許可になるわけではありません。ただし、会社の給与支払い能力や事業継続性について入管から慎重に審査されるため、「決算書」や「事業計画書」をあわせて提出し、今後の支払い能力を補足説明するのが望ましいです。
Q8.法定調書合計表を作成していなかった場合どうしたらいいですか
法定調書合計表の提出期限(原則1月31日)を過ぎてしまっていた場合や、これまで作成・提出していなかった場合の対処法と手順です。
結論から申し上げますと、不提出に気づいた時点で速やかに作成し、税務署へ期限後提出(または訂正提出)を行えば問題ありません。
今すぐ取るべき3つのステップ
- 過去の給与・報酬データの確認と集計
- 直近1年間(1月1日〜12月31日)に支払った「給与・賞与」および「弁護士・税理士等への報酬」の総額と源泉徴収税額を集計します。
- 法定調書合計表の作成
- 会計ソフト(MFクラウド、弥生、freee等)を利用している場合は、年末調整機能から過去分の合計表を出力・作成できます。
- 手書きや国税庁のWebサイト(e-Tax)から直接入力して作成することも可能です。
- 税務署へ提出し、「控え」を取得する
- e-Tax(電子申告)の場合: 送信後に発行される「受信通知(メールボックスの受付結果)」と作成データの控えを保存します。
- 窓口・郵送の場合: 「提出用」と「控え」の2冊を準備し、提出します(郵送の場合は返信用封筒を同封)。
ペナルティやビザ(在留資格)申請への影響
税務上の影響・ペナルティ
- 正当な理由なく提出しなかった場合: 法律上(所得税法第242条)の罰則規定は存在しますが、実務上、自主的に遅れて提出した場合にいきなり罰罰や過料が科されるケースは極めてまれです。
- 源泉所得税の納付漏れがある場合: 合計表の不提出だけでなく、税金自体の納付が遅れている場合は「不納付加算税」や「延滞税」が発生する可能性があるため、納付状況も合わせて確認が必要です。
ビザ(在留資格)申請への影響
入管(出入国在留管理局)へビザ申請を行う際、法定調書合計表が未提出のままだと書類不備となり、審査が進まないか「カテゴリー4(新設会社等と同等)」として扱われ、求められる立証資料が大幅に増えてしまいます。
- 対処法: 税務署へ期限後提出を行い、入管へ提出すれば、通常の審査フローに乗せることができます。
状況別の対応一覧
| 状況 | 主な対応内容 |
|---|---|
| 単に提出を忘れていた | 速やかに合計表を作成し、税務署へ期限後提出する。 |
| 会社設立1年未満で実績がない | 年末調整を一度も迎えていない場合は「給料支払事務所等開設届出書」の控え等で代用可能。 |
| 税理士に委任している | 顧問税理士へ「未提出であった旨」を伝え、大急ぎで代理送信・提出を依頼する。 |
まとめ
在留資格(ビザ)の申請において「法定調書合計表」は、外国人本人の要件だけでなく、受入企業の信頼性や安定性を証明するための非常に重要な書類です。
- 申請者個人ではなく、雇用主(企業)側が用意する書類
- 万が一作成・提出していなかった場合でも、速やかに税務署へ期限後提出すれば対応可能
提出書類に不備があると、審査期間が長引いたり、証明資料の追加(カテゴリー変更)を求められる原因になります。ビザ申請の準備を進める際は、事前に社内の経理担当者や顧問税理士と連携し、最新の法定調書合計表の手配をスムーズに行いましょう。
書類の確認やカテゴリー判定にご不安がある場合は、出入国管理専門の行政書士へのご相談もご検討ください。
代表行政書士
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・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。

