【最新】就労ビザ申請で就労先のHP等がない場合の対応ガイド|行政書士解説
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)の申請を行う際、申請企業・雇用先のウェブサイト(ホームページ)が存在しないケースは決して珍しくありません。しかし、出入国在留管理局(入管)の審査では「事業の安定性・継続性」や「実体のある企業かどうか」が厳しく確認されます。
そのため、公式Webサイトがない場合は、それに代わる十分な立証資料を準備して「事業の実体」を証明する必要があります。

Webサイトがない場合の主な理由
- 創業したばかりの新設会社である
- BtoB(法人向け取引)特化で、Webでの集客・PRを行っていない
- 老舗企業や地域密着型企業で、従来の取引網のみで営業が成り立っている
入管側は「ホームページがない=怪しい会社」と即座に判断するわけではありませんが、「実体のないペーパーカンパニーではないか」「本当に雇用して安定した給与を支払えるのか」という疑問を持つため、Webサイトの代わりとなる強力な立証資料が求められます。
補行・立証するための代替書類とポイント
Webサイトがない場合、以下の書類を組み合わせて「会社の存在」「事業内容」「規模感」を入管に提示します。
1. 事業内容や実績を示す資料
- 会社案内パンフレット・会社概要資料(PDF作成のものでも可)
- 主要取扱商品・サービスのカタログ、取扱説明書
- 顧客向け提案書や見積書のサンプル(個人情報等はマスキング)
- 取引先との契約書・注文書・納品書の控え
2. 会社の営業実体・オフィスを示す資料
- オフィスの賃貸借契約書の写し
- 事務所の外観・看板・内観(執務スペース・看板・ポストなど)の写真ポイント: ポストや入口に社名が明確に表示されているか、実際に業務を行えるデスクやPC設備が整っているかがチェックされます。
3. 法人の存在・決算状況を示す書類(通常提出書類)
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 直近の決算書(貸借対照表・損益計算書)
- 新設法人の場合は「事業計画書」および「収支予算書」が必須
- 法定調書合計表の写し
理由書(説明書)での補足説明
Webサイトがない理由と、企業の業務内容を明確に記載した理由書を添付することで、審査をスムーズに進めることができます。
理由書に盛り込むべき項目
- Webサイトを開設していない明確な理由(例:「法人向け受託業務のみを展開しており、営業活動は既存の顧客ネットワークにて行っているため」など)
- 主な事業内容と取引先
- 申請人(外国人社員)が担当する具体的な業務内容と必要性
まとめ
就労先企業のホームページが存在しない場合でも、「事業の実体」「オフィス環境」「安定した取引・決算状況」を代替書類で丁寧に立証できれば、問題なくビザ(在留資格)を取得することが可能です。
事前の準備として、写真の撮影や各種契約書・取引実績資料の整理を丁寧に行うことが申請成功の鍵となります。
よくある質問
就労ビザ申請における「就労先のHP等がない場合」に関して、申請者(外国人本人)や企業の採用担当者・行政書士に寄せられやすい「よくある質問(FAQ)」をまとめました。
就労先のHPがない場合のよくある質問(FAQ)
Q1. ホームページがないという理由だけで就労ビザが不許可になることはありますか?
A. HPがないことだけを理由に不許可になることはありません。 入管法上の要件に「公式Webサイトの保持」は含まれていません。ただし、HPがないと「事業の実体」や「安定性・継続性」に対する疑問を持たれやすくなるため、パンフレット、オフィス写真、取引契約書などで補強・立証する必要があります。
Q2. 会社案内のパンフレットもありません。作成したほうがいいですか?
A. 簡易的なもので構いませんので、WordやPowerPointなどで作成して提出することをお勧めします。 プロのデザインで印刷された冊子である必要はありません。
- 会社名・所在地・代表者名
- 沿革・事業内容
- 取扱商品やサービスの内容
- 主要取引先
などをA4サイズ1〜2枚程度にまとめた「会社概要書(概要資料)」を添えるだけで、審査官の理解度が大きく変わります。
Q3. オフィスの写真はどのようなものを撮影すればよいですか?
A. 「実際にそこで事業活動が行われていること」がわかる写真を複数枚撮影します。 具体的には以下の箇所がポイントです。
- 建物外観(ビル名や住所が確認できるもの)
- オフィスの入口・ポスト(社名プレートや看板が確認できるもの)
- 執務スペース(デスク、PC、固定電話、書庫など業務設備が整っている様子)
- 応接スペース・会議室(打ち合わせ場所がある場合)
Q4. 設立したばかりの新設会社で、HPも決算書もありません。どうすればいいですか?
A. 決算書の代わりに「事業計画書(1年分〜数年分の収支予測)」を提出します。 新設法人の場合は決算実績がないのが当然であるため、以下の書類で立証します。
- 事業計画書・収支計画書(具体的な売上・経費の見込み)
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- オフィスの賃貸借契約書
- 資金力を示す資料(法人口座の残高証明書など)
Q5. 理由書には「なぜHPがないのか」をどのように書けばいいですか?
A. 企業の営業スタイルに応じた合理的な理由をストレートに記載します。 例えば、以下のような文脈が一般的です。
- BtoB企業: 「当社は既存の取引先法人からの受託業務を中心に展開しており、Web上での集客・販促を行っていないため」
- 新設企業: 「創業直後であり、現在公式Webサイトの制作・準備を進めている段階であるため」
- 地域密着型企業: 「地元の紹介・口コミおよび従来の対面営業を中心に事業を行っているため」
理由を述べたうえで、「事業の実体については添付の〇〇(契約書・写真等)の通りです」と繋げるとスムーズです。
Q6. SNSアカウントや無料のブログでもHPの代わりになりますか?
A. 補足資料として活用できますが、単体では不十分な場合が多いです。 Googleビジネスプロフィール、公式X(旧Twitter)、Instagram、Noteなどのアカウントがあり、日常的に事業活動が発信されている場合は、その画面の印刷(キャプチャ)を提出することで活動実態の補強になります。ただし、それだけでなくオフィス写真や契約書などの公的な実体資料とセットで提出するのが確実です。
まとめ:適切な立証資料で「事業の信頼性」をアピールしましょう
企業のIT化が進む現代において、ホームページの有無が入管審査時のひとつの目安として見られるのは事実です。しかし、HPがないからといって諦める必要は全くありません。
大切なのは、「入管審査官が知りたい情報(事業の実体・安定性・業務の必要性)」を、HP以外の公的な資料や補足写真・理由書でどれだけ明確に伝えられるかです。
- 立証資料に迷ったら
- 自社の業態に合った代替書類の選定
- 説得力のある「理由書」や「事業計画書」の作成
- 入管の審査基準に沿った全体の書類構成
これらは個々の状況(新設法人の場合、既存のBtoB企業の場合など)によって最適なアプローチが異なります。
「自社のケースでどんな資料を出せばいいかわからない」「不許可のリスクを最小限に抑えたい」という場合は、ビザ専門の行政書士などプロのアドバイスを活用しながら手続きを進めることを強く推奨します。
代表行政書士
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・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。


