【2026年10月改正対応】在留許可手数料の引上げと「減額・免除制度」の最新ガイドライン
日本に在留する外国人が行う「在留資格変更許可申請」「在留期間更新許可申請」「永住許可申請」などの手数料について、出入国管理及び難民認定法等の改正に基づき、2026年10月1日より新制度が施行されました。
これまでの「一律1万円」から、「許可される在留期間に応じた変動制」および「永住許可の大幅引き上げ」へと大きく変わったことに伴い、経済的困難や人道上の配慮を必要とする方を対象とした「手数料の減額・免除措置」のルールも明確化されています。本記事では、公式ガイドラインに基づく最新の仕組みを詳しく解説します。

1. 2026年10月からの手数料改定の概要
今回の法改正により、適正な在留管理にかかるコスト等を踏まえて手数料が引き上げられました。
- 在留資格の変更・在留期間の更新
- これまでの「一律1万円」から、「許可される在留期間の長さ」に応じた金額(例:1万円〜7万5,000円程度)に変更されました。
- 永住許可申請
- これまでの「一律1万円」から、一律「20万円」へと大幅に引き上げられました。
2. 免除と「減額」の区分について
出入国管理及び難民認定法では、経済的困難その他の特別の理由がある場合に「減額または免除」ができるとされていますが、実際の適用範囲は明確に分かれています。
① 免除措置(完全に無料になるケース)
手数料が「免除(0円)」されるのは、原則として「外交」や「公用」の在留資格に関する特定のケースに限られます。
- 外交または公用の在留資格への変更、および公用資格での在留期間更新
- 台湾日本関係協会の本邦事務所の職員・家族、または駐日パレスチナ総代表部の職員・家族としての「特定活動」への変更・更新
※一般の外国人が行う通常の就労・居住ビザや永住申請において、完全に無料(免除)になる枠組みはありません。生活に困窮している場合などは、後述の「減額措置」が適用されることになります。
② 減額措置(一定の金額まで下がるケース)
生活保護受給者に準ずる程度の経済的困窮があり、かつ人道上の配慮が必要な者としてガイドラインの要件を満たす場合、手数料が以下のように減額されます。
- 在留資格の変更の許可: 1万円に減額
- 在留期間の更新の許可: 1万円に減額
- 永住許可: 2万円に減額
- ※もともと許可される在留期間が3か月以下等で手数料が1万円の申請については、それ以下に下げることはできません。
- ※永住許可の減額対象者は、原則として「日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子等」に限られます。
3. 減額対象者となるための要件(ガイドライン)
手数料の減額を受けるためには、原則として以下の「2つの要件の双方」に該当する(満たしている)必要があります。
- 経済的困窮要件: 生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に生活に困窮していると認められる者
- 人道上の配慮要件: 人道上の配慮をする必要がある者
主な対象となり得るケース
- 生活保護や公的支援を受けている者: 生活保護法の取扱いに準じた保護、難民認定申請者等に対する保護費の支給、中国残留邦人等支援法による支援給付を受けている者
- 難民・人道配慮関連: 難民認定等を受けて「定住者」へ変更・更新する者、本国情勢不安等を理由に「特定活動」へ変更・更新する者、難民認定申請者等で「特定活動」にある者
- 福祉・医療・ひとり親支援等: 児童養護施設等に入所している児童、指定難病患者・特別障害者・障害児等、または日本人等の実子を単独で監護・養育している外国人で「特定活動」への変更・更新を行う者
- その他: 引き続き日本に在留しないことが人道的見地から酷であると認められる特別の事情がある者
4. 申請時の重要ポイントと注意点
- 「疎明資料」の提出が必須 減額を受けるためには、通常の申請書類に加えて、自身の困窮状況や人道上の配慮を証明する疎明資料を添付する必要があります。
- 例: 生活保護受給証明書、直近1年分の所得課税(非課税)証明書、預貯金通帳の写し、各種医療受給者証・手当認定通知書、児童養護施設の措置証明書など。
- オンライン申請は利用不可(窓口申請のみ) 出入国在留管理庁によると、在留申請オンラインシステムでは減額措置に対応していません。減額を希望して疎明資料を提出する場合は、必ず地方出入国在留管理局の窓口に赴いて申請を行う必要があります。
まとめ
2026年10月の法改正により、在留手続きの基本手数料は大幅に引き上げられました。完全に無料となる「免除」は外交・公用等のごく一部の資格に限られますが、災害被災者や極度の経済的困窮者、人道上の配慮を要する外国人に対しては、一定の負担(1万円または2万円)に抑える「減額措置」が用意されています。
対象に該当する可能性がある場合は、必要な疎明資料をあらかじめ確認し、必ず窓口での手続きを行うようにしましょう。
【Q&A】在留許可手数料の改正・減額措置に関するよくある質問
在留許可手数料の改正および減額・免除措置に関して、申請者からよく寄せられる質問(FAQ)をまとめました。
Q1. 経済的に苦しいのですが、手数料を「完全に無料(0円)」にしてもらうことはできますか?
A. 一般の外国人の場合、完全に無料(免除)にしてもらうことは原則としてできません。 出入国管理及び難民認定法上、手数料が完全に免除されるのは「外交」や「公用」の在留資格、または特定の国際機関に関わる活動(台湾日本関係協会や駐日パレスチナ総代表部の職員・家族など)に限られています。一般の方が生活困窮などを理由に申請する場合は、あくまで「減額(一定額の負担)」となり、完全な免除はありません。
Q2. 減額が認められた場合、手数料はいくらになりますか?
A. 申請の種類によって減額後の金額が異なります。
- 在留資格の変更許可 / 在留期間の更新許可: 原則として1万円に減額されます(もともと3か月以下などで1万円未満のものは下がりません)。
- 永住許可: 通常20万円のところ、減額要件を満たしている場合は2万円に減額されます。
- ※注意: 特定在留カードの交付を受ける場合などは、別途手数料が加算されることがあります。
Q3. 減額の対象になる「永住許可申請」は誰でも受けられますか?
A. いいえ、永住許可の手数料減額の対象者は厳格に制限されています。 法改正後のガイドラインにおいて、永住許可申請の減額対象となり得る者は、原則として「日本人、永住者、または特別永住者の配偶者または子等」に限定されています。その上で、生活保護受給者に準ずる経済的困窮や人道上の配慮が必要な要件を満たしている必要があります。
Q4. 自宅のパソコンやスマホから「オンライン申請」で減額を申し込むことはできますか?
A. いいえ、オンライン申請では減額措置に対応していません。 出入国在留管理庁の案内では、減額措置の適用を受けるための疎明資料を提出する場合は、必ず地方出入国在留管理局の窓口に直接赴いて申請を行う必要があります。オンラインシステムからは手続きできませんので注意してください。
Q5. 減額を受けるためには、どのような証明書類(疎明資料)が必要ですか?
A. 経済状況や理由に応じて、公的な証明書の提出が必須となります。
- 生活保護受給者の場合: 生活保護受給証明書
- 経済的困窮(一般)の場合: 直近1年分の所得課税証明書(非課税証明書)および預貯金通帳の写しなど
- 福祉・医療等の場合: 医療受給者証、各種手当(特別障害者手当や児童扶養手当など)の認定通知書、児童養護施設の措置証明書など ご自身の状況によって必要な書類が異なるため、事前に管轄の入管窓口や公式サイトで確認することをおすすめします。
まとめ:法改正に備え、正確な知識と準備を
2026年10月1日の法改正により、在留手続きにかかる手数料は「許可期間に応じた変動制」および「永住許可の引き上げ(20万円)」へと大きく刷新されました。
今回の変更における重要なポイントを振り返ります。
- 「免除(0円)」ではなく「減額」が基本 完全な無料化(免除)は外交・公用等のごく一部の資格に限られており、一般の外国人の方が恩恵を受ける場合は、あくまで一定の金額(変更・更新は1万円、永住は2万円)を負担する「減額措置」となります。
- 対象者の要件と「疎明資料」の厳格化 経済的困窮(要保護者に準ずる生活状況)と人道上の配慮という双方の要件を満たす必要があり、それを証明するための公的証明書(所得課税証明書、受給証明書など)の添付が不可欠です。
- 必ず「窓口申請」で行うこと 便利なオンラインシステムは、現時点で減額措置に対応していません。減額を希望する場合は、必ず管轄の出入国在留管理局の窓口に直接赴いて手続きを行う必要があります。
今回の改正で経済的なハードルは全体的に高くなりましたが、経済的困難や特別な事情を抱える方に対するセーフティネット(減額措置)は引き続き用意されています。ご自身の状況がガイドラインに該当するかどうか不安な場合は、申請を行う前に、あらかじめ最寄りの入管窓口や専門機関へ相談・確認することをおすすめします。
代表行政書士
-
・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。


