海外で結婚した外国人配偶者の「配偶者ビザ」取得ガイド!外国人配偶者を日本へ呼ぶには?海外結婚後の「日本人の配偶者等」ビザ取得の流れ
海外で現地方式の結婚をしただけでは、外国人配偶者がすぐに日本で暮らせるわけではありません。日本国内で一緒に生活するためには、日本の戸籍への報告届出を完了させたうえで、出入国在留管理局(入管)へ「配偶者ビザ(在留資格:日本人の配偶者等)」の申請を行う必要があります。
手続の基本ステップ、必要書類、スムーズな許可取得のためのポイントを分かりやすく解説します。

全体の流れ(6つのステップ)
海外在住の配偶者を呼び寄せる場合、入管へ「在留資格認定証明書(COE)」の交付を申請するのが標準的な手続きです。
1.日本の市区町村役場(または大使館)へ婚姻届を提出:日本の戸籍への反映。
現地で法的に結婚した後、日本の市区町村役場または現地の日本大使館・領事館へ「報告的届出(婚姻届)」を提出します。戸籍謄本に婚姻事実が記載されることで、配偶者ビザ申請の前提条件が整います。
2.出入国在留管理局へCOE交付申請:標準処理期間:1〜3ヶ月。
日本にいる日本人配偶者(または条件を満たす日本在住の親族)が代理人となり、居住地を管轄する地方出入国在留管理局へ「在留資格認定証明書(COE)交付申請」を行います。
3.在留資格認定証明書(COE)の発行:有効期限は交付から3ヶ月。
審査が通ると、紙のCOEまたは電子COE(メール添付)が交付されます。交付されたCOE(または電子通知)を海外にいる外国人配偶者へ送付します。
4.現地の日本大使館・領事館で査証(ビザ)発給申請:所要期間:1〜2週間程度。
外国人配偶者が現地の日本大使館または総領事館へ赴き、COE・パスポート等を提出してビザの発給を申請します。
5.日本へ入国・上陸許可:COE発行から3ヶ月以内に入国。
査証が貼られたパスポートを持ち、日本へ入国します。主要空港(成田、羽田、関西、中部等)の入国審査にてその場で「在留カード」が交付されます。
6.市区町村役場で住民登録:入国から14日以内。
住居地が決まったら、14日以内に管轄の市区町村役場で住民登録(転入届)を行います。
配偶者ビザ申請の主な必要書類
立証資料に不備があると審査遅延や不許可の原因となるため、準備は丁寧に行います。
基本書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)(外国人配偶者のもの)
- 日本人配偶者の戸籍謄本(婚姻事実が記載された発行後3ヶ月以内のもの)
- 現地国発行の結婚証明書(和訳文を添付)
- 日本人配偶者の住民税の課税・納税証明書(直近1年分)
- 身元保証書(日本人配偶者が作成)
- 日本人配偶者の世帯全員の住民票の写し
真実性の立証書類(特に重要)
- 質問書(出会いから結婚に至る経緯等を細かく記載)
- スナップ写真(2人で写っているもの、双方の親族・友人と写っているもの数枚)
- コミュニケーションの記録(SNSのやり取り・通話履歴のスクリーンショットなど)
審査で重点的に見られる3つのポイント
配偶者ビザは「法的に結婚していること」だけでは許可されません。入管は以下の3点を厳しく確認します。
| 審査ポイント | 内容と注意点 |
| 1. 婚姻の真実性 | 偽装結婚を防止するため、出会いのきっかけや交際期間、交流実績が実質的な夫婦として自然であるかが確認されます。交際期間が極端に短い場合や年齢差が大きい場合は、詳細な理由書の提出が有効です。 |
| 2. 経済的安定性 | 日本で安定して世帯を維持・同居できる収入や資産があるかが問われます。日本人配偶者の収入が低い・無職の場合は、預貯金証明や身元保証人(親族等)の援助計画を示す必要があります。 |
| 3. 同居・生活の現実性 | 入国後に夫婦が同じ住居で共同生活を送る予定・環境が整っているかが重視されます。 |
海外在住夫婦が同時に日本へ移住する場合の注意点
ご夫婦ともに海外に住んでおり、同時に日本へ引越す場合は「日本国内で身元保証や書類収集を行う親族の協力」または「代理人手続き」が必要になります。
- 日本人配偶者が先に帰国して住民登録・就職活動を行い、その後COE申請をする方法が最もスムーズです。
- 同時に帰国したい場合は、日本に住む親族(両親や兄弟など)に法定代理人となってもらい、入管への手続きを代行してもらう選択肢があります。
計画的なスケジュール作成と、実態を丁寧に証明する書類作成が許可取得への近道です。
よくある質問
海外で結婚した後の「配偶者ビザ(在留資格:日本人の配偶者等)」申請について、実務上よく寄せられる質問とその回答(FAQ)です。
Q1. 婚姻届を提出してからビザが許可されるまで、どのくらいの期間がかかりますか?
A. 全体で約3ヶ月〜5ヶ月程度が目安です。
- 日本の戸籍への反映:届出から約1〜2週間(在外公館経由の場合は1〜2ヶ月)
- COE(認定証明書)審査:入管への申請から約1〜3ヶ月
- 現地の日本大使館での査証発給:申請から約1〜2週間
Q2. 日本人配偶者が無職・収入ゼロでもビザは取れますか?
A. 可能です。ただし、第三者による立証やサポートが必須となります。 日本人配偶者に収入がない場合は、以下のいずれかの方法で「生活に困窮しないこと」を証明する必要があります。
- 預貯金口座の残高証明書を提出する(十分な資産がある場合)
- 親族(両親や兄弟など)を身元保証人に追加し、その親族の課税証明書や収入証明を提出する
- 日本での内定通知書や雇用契約書を提出し、今後の収入見込みを示す
Q3. 年齢差が大きい(10歳以上)夫婦や、交際期間が短い(数ヶ月)場合は不利ですか?
A. 審査が厳しくなる傾向にありますが、理由書や客観的証拠を丁寧に提出すれば許可されます。 偽装結婚を疑われやすいため、標準の提出書類に加えて以下の対応を行います。
- 交際経緯説明書(理由書)を作成し、出会いの背景や結婚に至った決断理由を詳細に記述する
- チャット履歴(LINEやWhatsAppなど)、通話履歴、一緒に旅行した際の写真、双方の家族と撮影した写真を可能な限り多く提出する
Q4. 海外在住の夫婦が、2人同時に日本へ移住することは可能ですか?
A. 可能です。ただし、日本国内に「法定代理人」を立てる必要があります。 日本に住んでいない夫婦は、入管へ直接申請することができません。そのため、日本に居住している日本人配偶者の親族(両親や兄弟など)に法定代理人(親族代理)となってもらい、代理でCOE交付申請を行ってもらいます。
Q5. 過去に配偶者ビザの申請が不許可になった場合、再申請はできますか?
A. 可能です。ただし、不許可になった原因を完全にリカバリーする必要があります。 まずは出入国在留管理局へ赴き、不許可の具体的な理由(理由のヒアリング)を確認します。不許可理由となった「説明不足」や「立証資料の不備」を補正し、再度申請を行います。同じ内容でそのまま再申請しても再度不許可になるため注意が必要です。
Q6.海外で結婚した場合の配偶者ビザ申請において、交際経緯や結婚理由書を正確かつ説得力をもって作成するための具体的なポイントを教えてください。
海外で結婚(創設的届出)を行った後の配偶者ビザ申請において、審査官が最も注視するのが「婚姻の真実性(偽装結婚ではないか)」です。その核心となる「質問書(理由書)」や「交際経緯書」を説得力のある内容にするための具体的な作成ポイントを整理しました。
1. 時系列に沿ったストーリーの一貫性
出会いから結婚に至るまでのストーリーは、日付や場所を具体的に記載し、矛盾がないように組み立てます。
- 出会いのきっかけ:SNS、知人の紹介、留学・仕事先など、いつ・どこで・どのように出会ったかを具体的に記載します。
- 初対面から交際開始まで:実際に初めて会った日や場所、交際を申し込んだ(受けた)経緯を明記します。
- 結婚への経緯:プロポーズの時期や場所、お互いの親への挨拶のタイミングなどを記録します。
2. 客観的証拠(エビデンス)との完全一致
理由書に書いた内容は、必ず提出する証拠写真や資料と一致している必要があります。
| 記載内容 | 添えるべき客観的証拠 |
|---|---|
| 渡航・訪問履歴 | パスポートの出入国スタンプ、航空券の半券、ホテルの予約確認書 |
| やり取りの継続性 | 通話履歴のスクショ、チャット(LINE/WhatsApp等)のスクリーンショット(月1〜2枚程度を時系列で) |
| 家族との交流 | 結婚式や親族訪問時の写真(双方の家族・友人が一緒に写っているものがベスト) |
3. ネガティブ要素に対する先行説明(リカバリー)
入管が懸念を抱きやすいポイントがある場合は、隠さずに理由書で自ら説明し、真実性を補強します。
- 交際期間が極端に短い場合:頻繁にやり取りを行っていた証拠や、お互いの価値観が一致して早期の結婚に至った具体的理由を記述します。
- 年齢差が大きい場合:お互いのどのような部分に惹かれ合ったのか、年齢差を気にしていない(または克服した)背景を丁寧に言語化します。
- 直接会った回数が少ない場合:コロナ禍や仕事上の制約など、会えなかった合理的な理由と、遠距離間での密なコミュニケーション実績を示します。
4. 共通の言語とコミュニケーション手段の明確化
夫婦間でどのような言語を使って会話しているかを明記します。お互いに相手の母国語が話せない場合は、「日常会話で使っている言語(英語など)」と「その言語での疎通レベル」を記載し、実際のチャット履歴などで会話が成立していることを証明します。
5. 日本での生活設計・将来のビジョン
単に「結婚しました」という過去の経緯だけでなく、「これから日本でどのように暮らしていくか」という将来の生活設計も書き添えます。
- 同居予定の住居環境(間取りや契約状況)
- 今後の世帯収入の計画(どちらが働き、どのように生活費をまかなうか)
※作成時は、事実のみを誠実に記載することが最重要です。虚偽の記載や曖昧な誤魔化しは不許可の原因となります。
まとめ
海外で結婚手続きを完了させた後、配偶者を日本に呼び寄せるには、日本の戸籍への反映と出入国在留管理局への「配偶者ビザ(COE)」申請が必須です。審査では「婚姻の真実性」「経済的安定性」「同居の現実性」が厳しく確認されます。交際期間が短い場合や無職の場合でも、適切な理由書や親族の協力・資産証明によってカバーが可能です。不備による遅延を防ぐため、事前に入念な証拠収集とスケジュール管理を行って手続きを進めましょう。
代表行政書士
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・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。


