【完全ガイド】日本の「再入国許可」手続き:制度の基本から特定活動(3ヶ月)の注意点まで
日本に滞在する外国人が一時帰国や海外出張で出国し、再び日本に戻ってくる際には「再入国」の手続きが不可欠です。
適切な手続きを行わずに出国すると、現在保有している在留資格や在留期間が消滅してしまうリスクがあります。本記事では、制度の基本から注意が必要な特殊ケースまで詳しく解説します。

1. 再入国許可の「2つの種類」と違い
日本の再入国制度には、出国の期間に応じて「みなし再入国許可」と「通常の再入国許可」の2種類があります。
比較表で見る違い
| 比較項目 | みなし再入国許可 | 通常の再入国許可 |
| 主な対象(出国期間) | 出国から1年以内 | 出国期間が1年を超える場合 |
| 最長有効期間 | 1年間(※在留期限が1年未満の場合はその日まで) | 最長5年間(※在留期限まで) |
| 事前の申請・手続き | 不要 | 必要(地方出入国在留管理局で事前申請) |
| 手数料 | 無料 | 一次: 3,000円 / 数次: 6,000円(収入印紙) |
| 海外滞在中の延長 | 一切不可 | やむを得ない事情があれば海外で1年延長可 |
2. 再入国申請が「不要な場合」と「必要な場合」
① 申請が【不要】なケース(みなし再入国許可)
- 条件: 在留カードを持つ中長期滞在者で、出国から1年以内に再入国する場合。
- 手続き: 出国当日、空港の審査場にある「再入国用EDカード」の「みなし再入国許可による出入国を希望します」欄に☑を入れるだけで完了します。事前に入管へ行く必要はありません。
② 申請が【必要】なケース(通常の再入国許可)
- 条件: 海外赴任や留学などで1年を超えて日本を離れる場合。
- 手続き: 出国前に、居住地を管轄する地方出入国在留管理局(入管)の窓口で事前申請と許可取得が必要です。
3. 【チェックリスト】通常の再入国許可の申請手順
1年を超える渡航で「通常の再入国許可」を申請する際の必要書類と当日の流れです。
事前準備(必要書類)
- 再入国許可申請書(入管Webサイトまたは窓口で入手)
- パスポート(原本提示)
- 在留カード(または特別永住者証明書)
- 理由書・立証資料(海外赴任命令書や留学許可書など、必要な場合のみ)
- 手数料(一次許可:3,000円 / 数次許可:6,000円 ※収入印紙で納付)
当日の流れ(即日交付)
- 管轄の入管窓口へ提出: 書類一式、パスポート、在留カードを提出。
- 手数料納付: 審査完了後、印紙売り場で収入印紙を購入し納付書に貼付。
- 許可の受取り: パスポートに再入国許可シール(またはスタンプ)が貼られたことを確認。
4. 在留期間・資格による重要な注意点
注意点①:在留期間が残り1年未満の場合
「みなし再入国許可」は「出国から1年間」有効ですが、現在の在留期限を超えて滞在することはできません。在留期限が残り8ヶ月であれば、みなし再入国の有効期間もその8ヶ月間となります。期限を過ぎると資格が消滅するため注意してください。
注意点②:特定活動などで在留期間が「3ヶ月」の場合(要注意)
在留資格が「特定活動」などで、在留期間が「3ヶ月」以下の方には非常に厳格なルールがあります。
- 「みなし再入国許可」は使えません制度上、在留期間3ヶ月以下の方は在留カードが交付されず、みなし再入国の対象外となります。
- 空港手続きのみで出国すると即失効そのまま出国すると持っている特定活動の資格はその場で消滅します。
- 対処法一時帰国したい場合は、出国前に必ず入管で「通常の再入国許可」を申請して取得するか、在留期間の更新・変更を行い(3ヶ月を超える期間と在留カードを得てから)出国する必要があります。
まとめ
- 基本は1年が境目: 1年以内の出国なら空港での「みなし再入国」、1年を超えるなら事前に「入管で申請」。
- 在留期限を必ず確認: どんな許可を取っても、自身の「在留期限」を超えて海外に滞在することはできない。
- 3ヶ月以下の在留期間は例外: みなし再入国が使えないため、出国前に入管への事前申請が必須。
自身の在留期間や渡航スケジュールを正しく把握し、事前の準備を怠らないようにしましょう。
よくある質問
Q1. 在留期間「6ヶ月」の特定活動です。一時帰国するとき空港で手続きできますか?
A. はい、できます。 「3ヶ月」を超える在留期間(4ヶ月、6ヶ月など)がある方は在留カードが交付されているため、空港の出国審査場で「みなし再入国許可」のチェック欄に☑を入れるだけで出国・再入国が可能です。ただし、再入国できる期限は「1年間」ではなく「現在の在留期限まで」となる点にご注意ください。
Q2. 在留期間「3ヶ月」の特定活動ですが、なぜ空港の「みなし再入国」が使えないのですか?
A. 在留カードが発行されない「中長期在留者以外の資格」だからです。 みなし再入国制度は「在留カードを持つ人(中長期在留者)」が対象です。3ヶ月以下の滞在資格の方は在留カードがないため、事前に入管の窓口で「通常の再入国許可」を申請・取得せずに出国すると、持っている資格がその場で消滅してしまいます。
Q3. 在留期間の「更新申請中」に一時帰国することはできますか?
A. 在留カードを持っている方(4ヶ月以上の指定期間がある方)であれば可能です。 事前に「在留期間更新許可申請」を提出し、在留カードの裏面に「在留期間更新許可申請中」のスタンプが押されていれば、みなし再入国を利用して一時帰国できます。 ※ただし、審査結果の連絡を受け取ってから原則2ヶ月以内(特例期間内)に日本に戻り、新しい在留カードを受け取る必要があります。
Q4. みなし再入国で出国した後、海外で滞在期間を延ばすことはできますか?
A. いいえ、海外での延長は一切できません。 みなし再入国で出国した場合、理由を問わず海外の日本大使館や領事館等で期限を延ばすことはできません。定められた期限(1年以内または在留期限)を1日でも過ぎると資格が消滅するため、余裕を持って帰国スケジュールを組む必要があります。
Q5. 「1年を超える海外滞在」になるかもしれない場合はどうすればいいですか?
A. 出国する前に入管で「通常の再入国許可」を取得してください。 あらかじめ入管窓口で手続きを行っておけば、最長5年(または在留期限まで)の再入国許可が受けられます。通常の再入国許可であれば、やむを得ない事情がある場合に限り、海外の在外日本公館で最長1年間の延長申請を行うことも可能です。
まとめ
事前手続きを行わずに日本を出国してしまうと、日本に戻れなくなったり、ビザの再取得に多大な時間と費用がかかったりします。渡航スケジュールが決まったら、まずはご自身の「在留カードの有無」と「在留期限」を必ず確認し、余裕を持った準備を心がけてください。
代表行政書士
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・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。


