【2027年1月義務化】インドネシアからの人材受入れで必須となる「結核非発病証明書」とは?「入国前結核スクリーニング(JPETS)」の実施について

厚生労働省および出入国在留管理庁は、日本国内における結核のまん延防止および早期発見・適切な治療を目的として運用している「入国前結核スクリーニング(Japan Pre-Entry Tuberculosis Screening:JPETS)」について、インドネシアにおける運用開始日程を正式に発表・周知しました。

これまでフィリピン、ネパール、ベトナムの3か国で先行して実施されていましたが、準備が整ったことからインドネシアにおいても本格運用が開始されます。

1. 実施スケジュール(予定)

項目実施予定日備考
現地健診の受付開始令和8年(2026年)11月2日日本政府指定の現地医療機関にて健診受診が可能となります。
結核非発病証明書の提出義務付け令和9年(2027年)1月4日COE交付申請時または査証(ビザ)申請時に添付が義務化されます。

※2027年1月4日以降の申請においては、証明書の添付がない場合、手続が進まない可能性がありますのでご注意ください。

2. 制度の概要と対象者

■ 制度の目的

対象国から日本に入国し中長期間在留しようとする外国人に対し、渡航前に現地指定医療機関で胸部X線検査等(必要に応じて喀痰検査等)を実施し、「結核を発病していないこと(結核非発病)」を確認した上で入国してもらう取り組みです。

■ 対象となる方

  • インドネシア国籍を有し、日本に中長期在留者として新たに入国・在留しようとする方
    • 例:「技術・人文知識・国際業務」、「留学」、「家族滞在」等の在留資格を申請する方

■ 主な対象外・除外要件(当面の間含む)

  • 短期滞在で入国する方
  • 再入国許可(みなし再入国を含む)を得て再入国する方
  • 「特定技能」の在留資格(※現行のガイドライン上、当面の間対象外とされています)
  • EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者など一部の特定枠組
  • 対象国以外の第三国に合法的に長期間居住していることが公的書類等で確認できる方

3. 受診から提出までの流れ

  1. 指定健診医療機関での受診
    • 日本政府(厚生労働省等)が指定する現地の医療機関を予約・受診します。
    • 一般の医療機関による診断書や胸部レントゲン結果では代替できません。
  2. 結核非発病証明書の発行
    • 検査の結果、結核を発病していないと診断された場合、証明書が発行されます。
    • ※証明書の有効期間は、原則として胸部X線撮影日から180日間(条件により90日間)です。
  3. 申請書類への添付
    • 在留資格認定証明書(COE)交付申請時、または現地大使館等での査証(ビザ)申請時に「結核非発病証明書」を併せて提出します。

4. 企業・受け入れ機関・受任者における注意点

  • スケジュール管理と逆算令和9年(2027年)1月4日以降にCOE等の申請を行う予定がある場合、それに先立ち現地での健診予約・受診・証明書発行までの所要期間を見込んだスケジューリングが必要です。
  • 検査に時間を要する場合への考慮胸部レントゲン等で疑わしい所見(精密検査が必要と判断された場合)があった場合、喀痰培養検査等が行われ、結果判明までに6〜8週間程度かかることがあります。
  • 指定医療機関の確認インドネシア国内の具体的な指定健診医療機関のリストや受診手続きの詳細は、順次厚生労働省の「入国前結核スクリーニング特設サイト(JPETS)」にて公開されます。

関連リンク・参考情報

よくある質問

インドネシア国籍の方に対する「入国前結核スクリーニング(JPETS)」の導入に関して、実務上よく寄せられる質問と回答をまとめました。

Q1. 対象となる「中長期在留者」とはどのような人ですか?

A. 3ヶ月を超える滞在期間で日本に新しく入国・在留しようとする方全般が対象です。 「技術・人文知識・国際業務」「留学」「家族滞在」「特定活動」などの在留資格で新規入国する方が該当します。一方で、「短期滞在(90日以内の観光・ビジネス等)」で入国する方は対象外です。

Q2. 技能実習生や特定技能外国人、EPA看護・介護候補者は対象になりますか?

A. 当面の間、対象から除外(猶予)される枠組があります。

  • 特定技能: 現行の運用方針に基づき、当面の間は対象外とされています。
  • EPA(経済連携協定)看護師・介護福祉士候補者: 専用の枠組・健康診断プロセスがあるため、当面の間対象外です。
  • 技能実習生: 原則として本制度の対象に含まれるため、事前の受診および証明書の提出が必要です。

Q3. インドネシア国籍ですが、現在日本や第三国に住んでいる場合はどうなりますか?

A. 第三国に長期間合法的に居住している場合は、証明書の添付を免除できる場合があります。 日本国内からの在留資格変更申請や、日本からの再入国(みなし再入国を含む)の場合は対象外です。また、インドネシア以外の第三国(例:シンガポール等)に公的に長期滞在・居住していることを確認できる書類(滞在許可証等)を提出できる場合は、受診が免除されます。

Q4. どこの病院・クリニックで健診を受けてもいいですか?

A. いいえ。日本政府(厚生労働省等)が指定した現地の「指定健診医療機関」限定です。 一般の病院で発行された健康診断書や胸部X線結果では申請が受理されません。厚生労働省のJPETS特設サイト等で公表される「指定医療機関リスト」から予約して受診する必要があります。

Q5. 検査で引っかかった(再検査になった)場合、どうなりますか?

A. 精密検査(喀痰検査等)が行われ、結果判明までに1.5〜2ヶ月ほどかかります。 胸部X線検査で影などの異常所見が認められた場合、結核菌の有無を確認する喀痰塗抹・培養検査等が実施されます。培養検査には6〜8週間程度を要するため、結果が出るまで証明書は発行されず、渡航スケジュールが大幅に遅れる可能性があります。

Q6. 結核「非発病」証明書の有効期限はどれくらいですか?

A. 原則として、胸部X線撮影日から「180日間」です。 ※ただし、過去に結核の治療歴がある場合など、リスク評価により有効期間が「90日間」に短縮されるケースがあります。有効期限内にCOE申請または査証(ビザ)申請を完了させる必要があります。

Q7. 令和9年(2027年)1月4日より前にCOE(在留資格認定証明書)申請をした場合はどうなりますか?

A. 2027年1月3日までに申請が受理されていれば、証明書の添付は不要です。 添付が義務化されるのは「令和9年(2027年)1月4日以降」の申請分からです。ただし、審査期間や現地での渡航時期、入国手続き(ビザ発給審査)のタイミングによっては提出を求められるリスクを避けるため、11月の受付開始以降は早めの受診準備を推奨します。

おわりに:早めのスケジュール管理でスムーズな受入れを

インドネシア国籍の方に対する「入国前結核スクリーニング(JPETS)」は、2026年11月2日より現地健診が開始され、2027年1月4日以降の申請から証明書の添付が義務化されます。

万が一、現地での再検査(喀痰検査など)が必要になった場合、結果判明までに6〜8週間ほどの遅れが生じる可能性もあります。2027年以降にインドネシアからの人材受入れやCOE申請をご予定の企業様・担当者様は、渡航日程から逆算した余裕のあるスケジュール管理をおすすめいたします。

当事務所では、最新の出入国管理手続きや在留資格(ビザ)申請に関するご相談・サポートを承っております。受入れスケジュールの組み立てや申請書類の準備でお困りの際はお気軽にお問い合わせください。

代表行政書士

行政書士新川健人
行政書士新川健人
・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。