【最新版】特定技能1号「ビルクリーニング」受入完全ガイド!要件・必要書類・注意点までプロが徹底解説
少子高齢化に伴う労働力不足が深刻化する中、ビルメンテナンス業界において重要な人材確保の手段となっているのが「特定技能1号」制度です。外国人材の受入れを進める企業や行政書士の実務者向けに、概要と要件を整理しました。

1. 特定技能1号「ビルクリーニング」の基本概要
| 項目 | 内容 |
| 制度の目的 | 深刻化するビル清掃の人手不足解消と技能継承 |
| 在留期間 | 最長5年(更新制/家族の帯同は原則不可) |
| 対象業務 | 建築物内部の清掃(床、壁、天井、窓、家具、衛生設備等) |
| 所管省庁 | 国土交通省(旧 厚生労働省から移管) |
2. 人材(外国人本人)の要件
特定技能1号を取得するためには、以下の技能水準と日本語能力を証明する必要があります。
- 技能評価試験
- 「ビルクリーニング特定技能1号評価試験」(実技試験および学科試験)の合格
- ※「ビルクリーニング職種・ビルクリーニング作業」の技能実習2号を良好に修了した場合は、試験免除で受入可能。
- 日本語能力
- 「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」合格、または「日本語能力試験(JLPT)」のN4以上取得。
3. 対象となる業務内容と範囲
特定技能外国人には、建築物の清潔さを保ち、環境衛生を維持するための作業全般を行わせることができます。
【主たる業務】
- 建築物内部の掃除機掛け、モップ掛け、ワックス塗布
- 窓ガラス、壁面、照明器具の清掃
- トイレ・洗面所などの衛生設備清掃・消毒
【関連業務(主業務に付随して行う場合)】
- 清掃資材・機材の準備や搬入、メンテナンス
- ゴミの分別・回収処理
- 清掃作業に伴う軽微な安全管理・現場準備
4. 受入企業(特定技能所属機関)の主な要件
企業側が特定技能外国人を雇用するためには、以下の基準を満たす必要があります。
- 事業所の要件
- 建築物清掃業(建築物衛生法第12条の2第1項第1号)の登録を受けている事業所であること。
- 協議会への加入
- 国土交通省が設置する「ビルクリーニング分野特定技能協議会」に参加し、必要な協力を行うこと(採用後、規定期間内に加入申請が必要)。
- 支援体制の構築
- 生活支援、日本語学習支援、行政手続きなどの支援計画を自社で行うか、登録支援機関へ委託すること。
- 日本人と同等以上の報酬
- 同等の職務を行う日本人従業員と同等、またはそれ以上の給与を支払うこと。
5. 受入れまでの全体スケジュール
1.要件の確認と事前準備:
受入れ事業所の建築物清掃業登録や支援体制(自社支援か委託か)を確認・選定します。
2.人材の募集・選考:
国内外の試験合格者、または技能実習2号修了者と面接を行い、雇用契約を締結します。
3.支援計画の作成:
事前ガイダンスや出入国時の送迎、住居確保などの「1号特定技能外国人支援計画」を策定します。
4.出入国在留管理局へ申請:
在留資格変更許可申請(国内居住の場合)または在留資格認定証明書交付申請(海外呼び寄せの場合)を行います。
5.就労開始・協議会への加入:
入国・受入れ完了後、規定の期日までに特定技能協議会への加入手続きを行います。
実務上のポイント
ビルクリーニング分野は、技能実習生からの移行ルートが確立されているため、他分野と比較しても手続きがスムーズに進みやすい特徴があります。ただし、受入企業が「建築物清掃業」の登録を受けていることが必須条件となるため、事前の自社要件チェックが不可欠です。
申請手続きで頻繁に確認される「よくある質問」と、出入国在留管理局(入管)や関係機関へ提出する「必要書類」のまとめです。
ビルクリーニング分野「よくある質問(FAQ)」
Q. ホテルの客室清掃やベッドメイクは対象業務になりますか?
A. 原則として不可(主業務としては認められません)。
ビルクリーニングの特定技能は「建築物の利用者が使用する共有スペース等の清掃」が主な対象です。ホテルの客室清掃やベッドメイクを専業として行わせることはできません。(※客室清掃をメインとする場合は「宿泊分野」での受け入れ等を検討する必要があります。)
Q. 戸建て住宅やマンション室内(専有部分)のハウスクリーニングは可能ですか?
A. 不可です。
個人住宅の室内清掃は対象外となります。ただし、分譲マンションなどの共用部分(エントランス、廊下、階段など)の清掃業務であれば対象に含まれます。
Q. 技能実習からの移行の場合、試験は免除されますか?
A. 免除されます。
「ビルクリーニング職種・ビルクリーニング作業」の技能実習2号を良好に修了している場合、技能試験および日本語能力試験の両方が免除されます。
Q. 「協議会」への加入タイミングはいつですか?
A. 最初の特定技能外国人が就労を開始する前に加入申請を行います。
国土交通省が管轄する「ビルクリーニング分野特定技能協議会」への加入は必須要件です。
在留資格申請に必要な提出書類一覧
出入国在留管理局へ提出する書類は、大きく分けて「外国人本人に関する書類」と「受入企業(所属機関)に関する書類」の2つがあります。
1. 本人に関する立証書類
- 技能水準を証する書類(いずれか)
- ビルクリーニング特定技能1号評価試験 合格証明書(写し)
- 技能実習2号の良好修了を証する書類(評価調書や技能検定3級合格証等)
- 日本語能力を証する書類(技能実習ルートの場合は提出不要)
- 日本語能力試験(JLPT)N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の合格証明書
- 健康診断個人票(指定様式)
- 履歴書・パスポートの写し・在留カードの写し(国内在住者の場合)
2. 受入企業(所属機関)に関する書類
- 建築物清掃業等の登録証明書(写し)
- 建築物衛生法第12条の2第1項に基づく「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」の知事登録証明書。(※必須要件)
- ビルクリーニング分野における受入れに関する誓約書(分野参考様式第2-1号)
- 特定技能雇用契約書・雇用条件書の写し
- 1号特定技能外国人支援計画書
- 企業の立証書類
- 登記事項証明書(法人登記)
- 決算書(直近2期分)および確定申告書控え
- 労働保険・社会保険の納付状況を証明する各種書類
- 租税の納付証明書(国税・地方税)
- 協議会より発行される「構成員資格証明書」の写し
実務上のポイント
ビルクリーニング分野特有の注意点として、受入企業が「建築物清掃業」または「総合管理業」の業登録を行っていることの証明書提出が必須である点が挙げられます。自社の登録状況や有効期限をあらかじめ確認した上で申請準備を進めることが重要です。
【まとめ】
ビルクリーニング分野における「特定技能1号」の活用は、慢性的な人手不足に悩む清掃業界において極めて有効な人材確保策です。
受入れにあたっては、以下の3つのポイントを確実に押さえておくことがスムーズな申請と定着の鍵となります。
- 受入企業の要件チェック:「建築物清掃業」または「総合管理業」の知事登録が必須です。
- 対象業務の範囲:共用部の清掃が基本であり、個人のハウスクリーニングやホテルの客室清掃メインの業務は対象外です。
- 協議会への「事前加入」:運用改定により、在留資格の申請前に協議会へ加入し「構成員資格証明書」を取得しておくことが完全義務化されています。
特に手続きの順番やスケジューリングを誤ると、ビザ申請の受領遅延につながるため注意が必要です。最新の法改正や運用ルールを把握した上で、計画的に受入れ準備を進めていきましょう。
代表行政書士
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・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。

