【在留資格の特例期間について】ビザ申請中に期限が切れたらどうなる?「特例期間」の仕組みと注意点

日本に滞在する外国人や企業の人事担当者にとって、ビザ(在留資格)の更新や変更の手続きは非常に重要です。

しかし、「申請を出したけれど、審査結果が出る前に現在の在留期限が切れてしまう」というケースは少なくありません。

このような場合でも、条件を満たしていれば不法滞在(オーバーステイ)にならず、合法的に日本に滞在し続けることができます。このルールを「特例期間」と呼びます。

この記事では、特例期間の基本的な仕組みや期間中のルール、注意点について解説します。

特例期間とは?

特例期間とは、在留資格の「更新許可申請」または「変更許可申請」を現在の在留期間の満了日(期限)までに行った際、結果が出ないまま期限を迎えても、引き続き合法的に滞在できる制度です。

特例期間として認められるのは、以下のいずれか早い方の日までとなります。

  • 審査の結果(許可・不許可の処分)が出た日
  • 本来の在留期間満了日から「2ヶ月」が経過した日

対象者と対象外となるケース

区分条件・対象
対象となる方在留期間が「31日以上」のビザを所持し、期限内に更新・変更申請を受理された方
対象外となる方在留期間が「30日以下」の方(15日や30日の短期滞在など)

注意:「永住許可申請」は対象外

永住許可の申請は審査期間が長いため、特例期間の対象外です。永住申請中に現在のビザ期限が迫っている場合は、別途「在留期間更新許可申請」を並行して行う必要があります。

特例期間中に「できること・注意すべきこと」

1. 就労・アルバイト

  • 更新申請の場合: 従前と同じビザでの更新申請であれば、これまで通り働くことができます。
  • 変更申請の場合: 例えば「留学」から就労ビザへ変更申請中の場合、まだ新しいビザの許可が出ていないためフルタイム就労はできません。従前の資格外活動許可(週28時間以内のアルバイト)の範囲内でのみ活動可能です。

2. 一時出国(再入国)

  • 再入国許可(または「みなし再入国許可」)を利用して一時的に出国することは可能です。
  • ただし、特例期間(最大2ヶ月)が終了する前に必ず帰国して結果を受け取る必要があります。期限内に戻らない場合、ビザは失効してしまいます。

3. 終了日の計算(土日祝の扱い)

  • 通常のビザ手続き期限が土日祝日の場合「翌開庁日」まで延期されますが、特例期間の最終日(2ヶ月後)にはこのルールが適用されません。土日祝日であっても期間は終了するためスケジュール管理に注意が必要です。

万が一「不許可」になった場合

特例期間中に審査結果が「不許可」となった場合は、入国管理局から指定された日に出頭し理由の説明を受けます。その後、帰国準備のためのビザ(特定活動など)に変更する等の手続きをとる必要があります。

特例期間は安心して審査結果を待つための大切な制度ですが、活動範囲の制限やスケジュールの厳守が求められます。申請は期限ギリギリを避け、余裕を持って進めましょう。

処分が出た日から発行手続きをせず在留期間を過ぎてしまった場合はどうなりますか?

在留資格の変更や更新の許可処分(または不許可後の特定活動等への変更指示)が下りているにもかかわらず、新しい在留カードの発行手続き(受領)を行わずに在留期間の満了日(または処分通知で指定された期限)を過ぎてしまった場合、原則としてオーバーステイ(不法残留)となります。

法律上の取り扱いと、直ちにとるべき対応は以下の通りです。

1. 法的な状況(オーバーステイの成立)

  • 特例期間の終了 申請中に適用されていた「特例期間」(在留期間満了後も一定期間在留を認められる制度)は、処分(許可通知)が出た時点で終了します。
  • カード発行前の状態 処分が出ている通知(ハガキや通知書)を受け取っていても、出入国在留管理局(入管)の窓口で新しい在留カードの発行を受け、変更・更新の交付登録を完了しない限り、新期間の法的な効力は発生しません
  • 不法残留(出入国管理及び難民認定法第24条) 元の在留期間が切れた状態でカード未発行のまま経過した場合、形式上は不法残留として扱われます。

2. 直ちにとるべき対応手順

放置せず、ただちに行動することが最優先です。

  1. 入管(管轄の地方出入国在留管理局)へ速やかに連絡・出頭する
    • 通知書(ハガキ)、パスポート、現在お持ちの在留カード、申請受付票、指定された収入印紙、理由書を持参します。
    • 自発的に出頭した場合は「退去強制」ではなく、救済措置(特別受理や在留特別許可の手続き)を受けられる可能性が高まります。
  2. 遅延した理由を説明する「理由書」を作成・提出する
    • 「なぜ期限内に発行手続き(カード受領)ができなかったのか」の合理的かつ誠実な理由を記載した書面を提出します。
    • 有効な理由の例: 事故・急病での入院、災害、入管側の通知誤送・不達など(証明資料・診断書等がある場合は添付)。
    • 単なる「忘れていた」「仕事が忙しかった」等の理由は厳しく判定されますが、隠さず正直に記載する必要があります。

3. 入管側の判断と想定される結果

入管側の判断(事情の考慮および処分の撤回・再交付の成否)により、対応が分かれます。

  • 【救済される場合】特別に発行が認められるケース 正当な理由(病気や事故など)があり、経過した日数がごくわずか(数日程度)である場合、指導や顛末書の提出の上で、例外的に新しい在留カードの交付が認められることがあります。
  • 【救済されない場合】退去強制・出国手続きとなるケース 理由に合理性がなく、期間経過後も長期間放置していた場合、処分を取り消され、不法残留として「出国命令手続」または「退去強制手続」の対象となります。

4. 留意点

  • 不法就労の禁止 在留期間が切れた状態での就労は不法就労となり、本人だけでなく雇用主も罰せられる(不法就労助長罪)リスクがあります。カードを受領できるまで仕事は休止してください。
  • 行政書士への相談 自主出頭の前に、出入国管理専門の行政書士へ相談し、理由書の作成や同行依頼を検討することをお勧めします。

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代表行政書士

行政書士新川健人
行政書士新川健人
・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。