【2026年最新】特定技能1号から2号へ変更するには?対象11分野の要件・必要書類・メリットを徹底解説

特定技能制度は、深刻な人手不足に対応するため2019年に創設された在留資格です。2023年に特定技能2号の対象分野が大幅に拡大されたことで、外国人材の「長期雇用・定着」を実現する大きな選択肢となりました。

1号から2号への変更要件、手続き、事業者・本人双方のメリットを分かりやすく解説します。

特定技能1号と2号の主な違い

項目特定技能1号特定技能2号
在留期間通算最大5年まで更新の上限なし(永住申請の道が開く)
家族の帯同原則不可配偶者・子供の帯同が可能
技能水準相当程度の知識・経験熟練した技能(現場の監督・リーダー級)
支援体制登録支援機関等による必須支援あり受入れ企業・機関による手厚い支援義務は対象外

2号へ変更するための主な3つの要件

1号から2号へ移行するには、単に5年勤めれば良いわけではなく、以下の基準を満たす必要があります。

  • 実務経験:現場において実務経験を積み、班長やリーダーとしての監督・指示能力を有していること。
  • 技能試験の合格:各分野で実施される「特定技能2号評価試験」(または同等の上位技能検定1級等)に合格すること。
  • 日本語能力:日常会話および業務上のコミュニケーションに支障がないレベル(分野により試験等の基準が異なる場合があります)。

1号から2号へ変更するメリット

受入れ企業側のメリット

  • 長期的な人材確保:5年の上限がなくなるため、自社の主力メンバーとして定着・活躍が期待できます。
  • 現場のリーダー育成:熟練した技能を持つため、他のスタッフの育成や指示役を任せられます。
  • 支援コストの削減:1号で義務付けられていた義務的支援が不要になり、管理コストを軽減できます。

外国人材(本人)側のメリット

  • 日本での長期滞在・永住権の道:在留期間の更新に制限がなくなるため、将来的な永住申請の要件(就労資格での一定期間の滞在)を満たしやすくなります。
  • 家族と一緒に暮らせる:配偶者や子供を日本に呼び寄せ、生活の基盤を築くことができます。

変更申請の主なステップ

  1. 必要要件の確認:実務経験の年数やリーダー職としての実績を確認。
  2. 試験の受験・合格:分野ごとの特定技能2号評価試験等を受験。
  3. 契約更新・条件調整:2号にふさわしい給与水準や待遇(日本人と同等以上)への改定。
  4. 出入国在留管理局への申請:「在留資格変更許可申請」に必要な書類を揃えて申請。

熟練した技能を持つ優秀な人材の長期定着に向け、1号の在留期間(5年)が終了する前に早めの準備と計画を進めることが推奨されます。

よくある質問

特定技能1号から2号への変更手続きにおいて、企業・申請者からよく寄せられる質問(FAQ)をまとめました。

1. 実務経験・要件に関する質問

Q. 特定技能1号の5年間を終えていなくても、2号へ変更できますか?

A. 可能ですが、実務経験要件を満たす必要があります。 1号の在留期間(通算5年)を使い切る前であっても、2号評価試験に合格し、分野ごとの実務経験(例:2年以上の班長・監督経験など)を立証できれば、いつでも変更申請が可能です。

Q. 「指導・監督者としての実務経験」はどのように証明すればよいですか?

A. 受入れ企業が作成する実務経験証明書や組織図で立証します。 単に「現場で働いていた」だけでなく、複数名の作業者を指導していたこと、シフト作成や工程管理を補助していたことなどを、具体的な職務内容やチーム体制図を用いて入管に説明します。

2. 待遇・費用に関する質問

Q. 2号に変更した場合、給与や待遇を上げる必要がありますか?

A. 熟練した技能(リーダー級)に応じた昇給が必要です。 1号の時と同等ではなく、日本人で同等の実務経験・監督能力を持つ社員と同等以上の報酬を設定する必要があります。

Q. 登録支援機関への支援委託費は2号でも発生しますか?

A. 原則発生しません。 2号に移行すると法律上の「義務的支援」が不要になるため、登録支援機関への毎月の支援委託費用は不要になります。ただし、住居の確保や手続き補助などを企業が任意でサポートすることは差し支えありません。

3. 家族帯同・将来の永住申請に関する質問

Q. 2号へ変更後、すぐに家族(配偶者・子供)を日本へ呼べますか?

A. 変更許可を受け、生活基盤が整い次第申請が可能です。 在留資格「家族滞在」の呼び寄せ申請を行います。本人の安定した収入や生活環境(適切な広さの住居など)が審査基準となります。

Q. 2号での在留期間は「永住許可申請」の要件(就労5年以上)にカウントされますか?

A. はい、カウントされます。 特定技能1号での期間は永住申請の就労期間にカウントされませんが、2号で在留した期間はカウント対象となります。就労資格で5年以上(かつ通算10年以上の日本滞在)等の要件を満たせば、永住申請の道が開けます。

Q.特定技能2号の対象分野の一覧と、各分野における変更要件を詳しく教えてください。

特定技能2号の対象分野は、制度改正(令和5年/2023年閣議決定)により、それまでの2分野から11分野(計19区分)へと大幅に拡大されました。

各分野において「熟練した技能(指導・監督的立場をこなせる能力)」が求められ、変更するには要件を満たす必要があります。

特定技能2号の対象分野(全11分野)一覧

※1号で対象となっている「介護」分野は、既存の専門・技術的資格である在留資格「介護」への移行ルートが用意されているため、特定技能2号の対象外となっています。

  1. ビルクリーニング
  2. 工業製品製造業
  3. 建設
  4. 造船・舶用工業
  5. 自動車整備
  6. 航空
  7. 宿泊
  8. 農業
  9. 漁業
  10. 飲食料品製造業
  11. 外食業

各分野共通の変更要件

2号へ移行するには、以下の3要素をクリアすることが基本構造となっています。

  • 技能水準の証明:各分野の「特定技能2号評価試験」への合格(または技能検定1級等の同等資格)
  • 実務経験・監督経験:現場での実務経験や、班長・副店長等として複数の労働者を指導・管理した経験(年数は分野による)
  • 日本語能力:一部の分野(外食・漁業など)ではJLPT N3以上の合格が必須要件

分野ごとの個別要件・実務経験の基準

分野試験要件主な実務経験・監督要件・その他
外食業外食業特定技能2号技能測定試験実務経験2年以上(複数人を指導・監督しながら店舗管理を補助する者としての経験)+ JLPT N3以上
飲食料品製造業飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験実務経験2年以上(複数人を指導・管理した実績等)
建設建設分野特定技能2号評価試験 または 技能検定1級班長としての実務経験(複数の技能者を指導しながら工程管理を行った経験)
工業製品製造業製造分野特定技能2号評価試験 または 技能検定1級製造現場での実務経験3年以上(2号試験申込時・申請時に要件確認)
ビルクリーニングビルクリーニング特定技能2号評価試験 または 技能検定1級複数の作業員を指導しながら現場管理を行う能力・実務経験
自動車整備自動車整備分野特定技能2号評価試験 または 自動車整備士2級認証工場等での実務経験
宿泊宿泊分野特定技能2号評価試験宿泊業での実務経験2年以上
農業2号農業技能測定試験(耕種・畜産)栽培・飼育の管理業務や指導的立場での経験
漁業2号漁業技能測定試験操業を指揮する者の補佐等の実務経験 + JLPT N3以上
造船・舶用工業造船・舶用工業分野特定技能2号評価試験 または 技能検定1級複数の作業員を指揮・管理しながら作業に従事した経験
航空航空分野特定技能2号評価試験(空港グランドハンドリング/航空整備)現場での作業指導・工程管理の実務経験

Q.特定技能2号評価試験の具体的な申込み手順と、各分野の試験日程を確認する方法を教えてください。

特定技能2号評価試験は、出入国在留管理局が直接一括運営しているわけではなく、分野ごとに指定された運営団体(プロメトリックや各業界団体など)が個別に試験を実施・管理しています。

具体的な申込みの手順と、日程を確認・集約する方法を解説します。

特定技能2号評価試験の申込み手順

多くの分野でCBT(コンピュータテスト)方式が採用されており、主な申込みフローは以下の通りです。

1、実施団体のWebサイトでマイページ作成

該当する試験実施団体のWebサイト(プロメトリック、OTAFF、各業界協会など)へアクセスし、受験者本人(または企業担当者)のマイページアカウントを作成します。

2、本人確認書類の登録・審査

パスポートや在留カードの顔写真・基本情報をアップロードします。名前や生年月日が証明書と完全一致していないと受験できないため正確に入力します。

3、試験日時・テストセンター(会場)の予約

マイページ上から、希望する受験都道府県・会場・日時を選択して予約します。

4、受験料の支払い

クレジットカードやコンビニ決済などで指定された期限内に受験料を支払います。決済完了後に「予約確認書(受験票)」が発行されます。

5、当日受験と合格証(試験結果通知書)の発行

試験当日は確認書と本人確認書類を持参します。合格後は数日〜数週間後にマイページから合格証明書(試験結果通知書)をダウンロードできます。

各分野の試験日程を確認する2つの方法

1. 出入国在留管理局の「試験ポータルページ」を一括確認する 出入国在留管理局(入管)の公式Webサイトにある「特定技能制度・試験関係情報」ポータルページでは、11分野すべての試験案内や最新の試験実施状況(国内外)へのリンクが1ページに集約されています。まずはここで最新の公示状況を俯瞰するのが最も効率的です。

2. 分野別の主要実施団体の公式サイトで詳細日程を確認する 具体的な試験日時・会場空き状況・申込開始日等は、各分野の運営団体サイトで確認します。

分野主な試験実施団体・予約サイト日程確認・申込の特徴
外食業 / 飲食料品製造業OTAFF(一般社団法人外国人食品産業育成機関)/ プロメトリックマイページから全国のCBT会場の予約状況をリアルタイムで確認可能
建設JAC(一般社団法人建設技能人材機構)予約受付開始日や会場スケジュールがWeb上で随時公開
製造 / ビルクリーニング日本規格協会(製造)/ 全国ビルメンテナンス協会年数回の定期開催やCBT方式。公式サイトで年間日程を公表
自動車整備日本自動車整備振興会連合会(日整連)筆記・実技等の実施スケジュールが案内
宿泊 / 農業 / 漁業 / 航空 / 造船各分野の業界推進協議会・試験事務局団体サイトにて年間スケジュールや申込期間を告知

試験日・申込み時の注意点

  • 枠の埋まりが早い:特に外食・飲食料品製造などの人気分野や都市部会場は、受付開始直後に満席になる傾向があります。各団体のマイページを事前に作成し、受付開始日にすぐ予約できるよう準備を整えておくことをおすすめします。
  • 実務経験要件との兼ね合い:分野によっては、試験の申込時または合格証交付時に「実務経験2年以上」等の条件を満たしている必要があります。在留資格変更のスケジュールから逆算して受験時期を設定してください。

Q.特定技能1号から2号への在留資格変更許可申請に必要な提出書類を教えてください。

特定技能1号から特定技能2号への「在留資格変更許可申請」に必要な提出書類の一覧です。

出入国在留管理局(入管)へ申請する書類は、大きく分けて①本人・共通書類、②特定技能2号の基準を満たす証明書類、③受入れ機関(企業)に関する書類の3つで構成されます。

1. 本人に関する書類・基本様式

書類名概要・注意事項
在留資格変更許可申請書申請人用(1〜3)および所属機関用(1〜4)を提出
写真(縦4cm×横3cm)申請前3ヶ月以内に撮影(無帽・無背景)。申請書の写真欄に添付
パスポート及び在留カード提示(窓口提出時またはオンライン申請時の確認用)
特定技能外国人の履歴書様式第1-6号
健康診断書医師による診断書(様式第1-3号)

2. 特定技能2号の基準を満たす証明書類(要件証明)

1号から2号への移行において最も重要となる、熟練した技能・実務経験を証明する書類です。

書類名概要・注意事項
特定技能2号評価試験の合格証明書各分野の評価試験(または技能検定1級等)の合格証の写し
実務経験・監督経験の証明書実務経験年数や班長・指導者としての実務経験を証明する書類(分野別様式)
日本語能力の証明書外食・漁業分野など、N3以上の日本語能力試験合格証が必須な分野で提出
特定技能雇用契約書の写し新たな報酬額(日本人と同等以上・1号より昇給)や待遇を定めた契約書
雇用条件書の写し賃金内訳や受入れ条件を明記したもの

3. 受入れ機関(所属企業)に関する書類

書類名概要・注意事項
労働条件通知書の写し2号移行後の待遇を明記したもの
企業の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)発行から3ヶ月以内のもの
決算書の写し直近1期分の貸借対照表および損益計算書
法定調書合計表の写し直近の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
社会保険・税金の納付証明書類社会保険料および市町村民税・国税の納付状況を示す書類(未納がないことの証明)

申請手続き時の注意点

  1. 様式の更新確認:出入国在留管理庁のウェブサイトで最新の参考様式(様式第1号関連等)をダウンロードして作成してください。
  2. 分野ごとの追加書類:分野(建設・製造・外食など)によって、主管省庁への届出・認定書や追加の要件確認書が必要になる場合があります。
  3. 審査期間の目安:申請から許可までに通常 1ヶ月〜3ヶ月程度 かかるため、1号の在留期限に余裕をもって手続きを進めてください。

特定技能2号への移行は、外国人材にとって「家族との生活」や「将来的な永住申請」への道が開ける大きなステップであり、企業にとっても「現場を支える熟練リーダーの長期定着」を実現する絶好の機会です。

まとめ

1号から2号への変更には、対象分野の試験合格や実務・監督経験の証明、出入国在留管理局への各種書類の提出など、綿密な事前準備が欠かせません。1号の在留期限(通算5年)を迎える前に、計画的に試験受験や条件整備を進め、優秀な人材の長期活躍につなげていきましょう。

代表行政書士

行政書士新川健人
行政書士新川健人
・日本行政書士会連合(登録番号第25271950号)
・京都府行政書士会(会員番号第3070号)
・申請取次行政書士(第172025200209号)
京都在住。外国人の就労ビザ、配偶者ビザ申請、国際結婚など国際業務を専門。スピード対応が得意。