審査前置主義と裁決主義とは

行政事件訴訟法では審査請求できる場合でも取消訴訟を提起することが原則として定められています。
これを自由選択主義といいます。

第八条 処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。 ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。

審査前置主義とは取消訴訟の前に審査請求をしてくださいねという決まりです。
裁決主義とは審査請求に対する裁決に対してのみ取消訴訟を提起できることをいいます。
審査前置主義や裁決主義は個別法によって規定されています。
こうしてくださいねといわれているのでそれに従うというということです。

裁決主義と規定されていたら裁決の取消訴訟を提起します。
裁決の取消訴訟を提起して「処分の取り消し」もしくは「裁決の取り消し」を主張することになります。
結局処分の取り消しを主張するなら処分の取消訴訟をしたらいいと思いますが、裁決の取消訴訟を提起してくださいねと規定しているので裁決の取消訴訟を提起します。
それが裁決主義だからです。