行政書士過去問令和2年(2020年)問44無効等確認と無効確認の違いについて

まず問題は以下です。
A県内の一定区域において、土地区画整理事業(これを「本件事業」という。)が計画された。それを施行するため、土地区画整理法に基づくA県知事の認可(これを「本件認可処分」という。)を受けて、土地区画整理組合(これを「本件組合」という。)が設立され、あわせて本件事業にかかる事業計画も確定された。これを受けて本件事業が施行され、工事の完了などを経て、最終的に、本件組合は、換地処分(これを「本件換地処分」という。)を行った。

Xは、本件事業の区域内の宅地につき所有権を有し、本件組合の組合員であるところ、本件換地処分は換地の配分につき違法なものであるとして、その取消しの訴えを提起しようと考えたが、同訴訟の出訴期間がすでに経過していることが判明した。

この時点において、本件換地処分の効力を争い、換地のやり直しを求めるため、Xは、誰を被告として、どのような行為を対象とする、どのような訴訟(行政事件訴訟法に定められている抗告訴訟に限る。)を提起すべきか。40字程度で記述しなさい。

この問題に対して行政書士試験研究センター発表の模範解答が以下です。

本 件 組 合 を 被 告 と し て 、 本 件 換 地
処 分 を 対 象 と す る 無 効 の 確 認 を 求
め る 訴 え を 提 起 す る 。

無効の確認を求める訴え=無効確認訴訟です。
なぜ無効等確認訴訟が間違いかというと「処分の無効を確認する訴え」であることがわかっているからです。
そもそも無効等確認訴訟の等とは裁決の有効、裁決の無効、処分の有効、処分の無効、を確認することをひっくるめて等としているわけです。
今回の問題では本件換地処分の無効の確認を求めることがはっきりしているので無効等確認訴訟だとおかしいわけです。
もし今回の設問が誰を被告としてどのような訴訟を提起すべきかという問いであった場合は、
本件組合を被告として、無効等確認訴訟を提起する。でも正解となります。
処分の無効を確認するという目的も含めて回答する場合、「処分の・・・無効確認訴訟」を提起する。となります。
「無効確認訴訟」という言葉のみでは通常使用せず「〇〇処分の無効確認訴訟」もしくは「処分無効確認訴訟」となります。
逆に「無効等確認訴訟」は有効の確認なども含むという意味ですので「無効等確認訴訟」という言葉のみで使われます。

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