自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。とは

自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。とはどういうことかわかりやすく解説します。

民法536条2項からです。
「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。」
自己の債務を免れたことによって利益を得たとき=もともと予定していた経費が浮いたときです。
具体例:たとえば10万円で犬小屋を依頼したとして依頼人が火の不始末で燃やしてしまったとします。
請負人は犬小屋を建てるために必要な材料5万円分のうちまだ1万円分しか購入していませんでした。
この場合、完成後の利益は10万円-5万円で5万円のはずでしたが1万円分しか買っていないので、
10万円-1万円で9万円の利益が出ることになります。
このようなときに予定していなかった利益(差額の4万円)を依頼人に償還する必要があるということなんですね。

もともと予定されていた請負人の利益は変わらないということだね。

この記事を書いた人
京都安心行政書士事務所

【保有資格】
・行政書士(日本行政書士会連合会登録/京都府行政書士会所属)・ファイナンシャルプランニング技能士3級(資産設計提案業務)・宅地建物取引士試験合格

京都安心行政書士事務所をフォローする
お問合せはこちらからどうぞ

ご相談以外にもご質問も歓迎しております。
お気軽にご連絡くださいませ。

行政書士試験