事理弁識能力と行為能力と意思能力の違いとは

事理弁識能力とは、自らが行なった行為の結果、何らかの法的な責任が生じるということを認識できる能力のことです。
民法7条ではこの事理弁識能力を欠く常況(*状況ではない)にある者について、後見開始の審判をすることができると定めています。

第7条【後見開始の審判】精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

そして民法9条では制限行為能力者が行った法律行為は取り消すことができることを定めています。

第9条【成年被後見人の法律行為】成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

制限行為能力者がなぜ法律行為を取り消せるかというと行為能力を欠くためです。
事理弁識能力を欠く常況にある者は後見開始の審判をすることが可能で、
成年被後見人は行為能力を欠く者です。
つまり事理弁識能力がない常況なので成年被後見人となり、成年被後見人は行為能力を欠くため法律行為を取り消せるということです。
成年被後見人は事理弁識能力を欠くため法律行為を取り消せるわけではないということですね。

では行為の取消しではなく無効を主張できる場合はどういうときかというと、
意思能力を有していないときです。
意思能力とはそもそもの行為の判断能力がない状態をいいます。
お金を払うと物が買えるということもわからないような状態のことです。
5歳以下ぐらいがそのような状態です。
意思能力を有していない場合は法律行為を無効とすることができます。

第3条の2 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。

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京都安心行政書士事務所

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・行政書士(日本行政書士会連合会登録/京都府行政書士会所属)・ファイナンシャルプランニング技能士3級(資産設計提案業務)・宅地建物取引士試験合格

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