離婚後の養育費の不払い対策として新設される「法定養育費」について、法務省は子ども1人あたり月額2万円とすることを正式に決定しました。
この制度は、2026年4月1日に施行される改正民法に合わせて導入され、それ以降に離婚する夫婦が対象となります。
👶 法定養育費とは?
法定養育費とは、夫婦が離婚する際に養育費の取り決めをしていなかった場合でも、子どもと同居している親が、別居している親に対して暫定的に請求できる養育費の額を定めたものです。
- 目的: 養育費の取り決めがない場合でも、子どもの最低限度の生活維持に必要な費用を確保すること。
- 金額: 子ども1人あたり月額2万円。
- 対象: 2026年4月1日以降に離婚が成立した夫婦。
- 趣旨: 暫定的なものであり、正式な協議や調停・裁判を通じて、世帯収入などに応じた適切な養育費の取り決めを促す狙いがあります。
💰 不払い対策の強化も同時に
今回の改正では、養育費の不払い対策として、法定養育費を含めた養育費の支払いが滞った場合、支払い義務がある親の財産を他の債権者よりも優先的に差し押さえられる「先取特権」の適用上限額も、子ども1人あたり月額8万円とすることが正式に決まりました。
🤔 「月2万円」への賛否両論
法務省は、今回の2万円という金額を「子どもの最低限度の生活を維持するのに必要な標準的な費用の額」としています。しかし、この金額については、インターネット上などで「安すぎるのではないか」「現実の子どもの養育費としては不十分」といった意見も多く、物議を醸しています。
法務省は、法定養育費があくまで暫定的・補充的なものであり、夫婦で話し合い、養育費算定表などに基づいた適切な取り決めをすることが重要であると周知していく方針です。
この決定は、長年の社会問題であった養育費の不払いに一つの解決策をもたらすものとして注目されています。

