本来青色申告できないのに税務署が見落としており後で正しい税額を請求した事件です。
青色申告でずっとできていたのに後から言うのはおかしい、信義則に反する!として争われました。
結論、信義則には反しないとされました。
要旨は以下です。
課税処分を信義則の法理により違法なものとして取り消すことができる場合があるとしても、租税法律主義の原則からして、その適用については慎重でなければならない。
→信義則違反で取り消すことができる場合もあうけど簡単には信義則違反とは認められないよ。ということです。
ちなみに「租税法律主義」とは、国家が市民や企業に対して課する租税は、議会が制定した法律の定めに基づくものでなければならない、という法原則です。
租税法規の適用における納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお課税を免れさせ、納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合に、初めて信義則の法理の適用の是非を考えるべきものである。
特別の事情が存するかどうかの判断に当たつては、少なくとも、税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示し、納税者がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したところ右表示に反する課税処分が行われ、そのために納税者が経済的不利益を受けることになつたものかどうか、納税者が税務官庁の右表示を信頼しその信頼に基づいて行動したことについて納税者の責に帰すべき事由がないかどうか、という点の考慮が不可欠である。
→今回の件では青色申告が受理されていたことは承認されていたわけではないとして信義則に違反にはあたらず適用はないという判断になりました。
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