自動車登録といってもいくつかのパターンがあります。
自動車登録、新規登録、変更登録、移転登録の違いとあわせて解説します。
京都での自動車登録とは
自動車登録とは、車両の所有者や使用者の情報を国(国土交通省の運輸支局等)に登録する手続きのことです。京都の場合は近畿運輸局 京都運輸支局で登録手続きを行います。これにより、その自動車が「どんな車で、誰が所有しているか」を公に証明し、公道を走行することができます。
自動車の登録に関する主要な法律は、道路運送車両法です。
第4条(登録の一般的効力)
「自動車は、自動車登録原簿に登録を受けたものでなければ、これを運行の用に供してはならない。」
この条文に違反し、登録を受けていない自動車を公道で運行した場合の罰則は、道路運送車両法の第108条に定められています。
道路運送車両法 第108条
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第四条、第十一条第五項、第二十条第一項若しくは第二項、第三十五条第六項、第三十六条、第三十六条の二第七項(第七十三条第二項において準用する場合を含む。)、第五十四条の二第七項、第五十八条第一項、第六十九条第二項又は第九十九条の二の規定に違反した者
したがって、道路運送車両法第4条に違反し、登録を受けていない自動車を運行した場合の罰則は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。(無登録車運行)
自動車を新規登録する場合
基本的には販売店(ディーラー)が行うことが多いですが行政書士が代行することが可能です。
自動車の新規登録に関する条文は以下です。
第7条(新規登録の申請)
「登録を受けていない自動車の登録(以下「新規登録」という。)は、国土交通省令で定めるところにより、その所有者の申請によらなければ、することができない。」
このように新しく自動車を登録する際の「新規登録」の申請について定めています。
自動車登録の必要書類(普通自動車の新規登録の場合)
新規登録申請書(OCR申請書第1号様式)
自動車検査登録印紙(手数料分)
自動車重量税納付書(重量税印紙を貼付)
譲渡証明書(所有者の変更がある場合)
完成検査終了証(新車の場合。発行から9ヶ月以内)または自動車検査票、有効な自動車予備検査証
印鑑証明書(所有者となる方のもの、発行から3ヶ月以内)
車庫証明書(自動車保管場所証明書、発行から概ね1ヶ月以内)
自賠責保険証明書
これらの他に、使用者(所有者と異なる場合)の住民票などが必要になる場合もあります。
新規登録後はナンバープレートの取り付けと封印が必要となります。
自動車登録の際の封印とは
自動車のナンバープレートに取り付けられる封印は、車両が適切に登録され、公道を走行する許可を得ていることを示す重要なものです。この封印は、誰でも勝手に取り付けることができるものではなく、法律で定められた資格を持つ者のみが行うことができます。
封印を取り付けることができる資格は、大きく分けて以下の4種類があります。
甲種封印(こうしゅふういん)
資格者: 運輸支局の職員、および一部の指定整備工場(自動車検査登録事務所が委託している「自動車登録番号標交付代行者」など)。
一般的に、運輸支局に車両を持ち込んだ際に、窓口で交付されたナンバープレートに取り付けてもらうのがこの甲種封印です。
乙種封印(おつしゅふういん)
資格者: 国土交通大臣から指定を受けた「型式指定自動車の販売を業とする者」(主に新車ディーラー)。
乙種封印は自社が販売した新車に限り、新規登録に伴う封印を行うことができます。中古車や他社販売の車には使用できません。ディーラーの店舗が封印場所に指定されている場合が多いです。
丙種封印(へいしゅふういん)
資格者: 「日本中古自動車販売協会連合会(JU)」に加盟する一部の中古車販売業者。
丙種封印は自社が販売した中古車に限り、封印を行うことができます。新車には基本的に使用できません。
丁種封印(ていしゅふういん)
資格者: 各都道府県の行政書士会が国土交通大臣から委託を受け、さらにその行政書士会から「自動車業務に十分精通している」と認められた行政書士。
いわゆる「出張封印」と呼ばれるサービスを提供できるのがこの丁種封印です。お客様の自宅や職場など、車両の保管場所に出向いてナンバープレートの取り付けと封印を行うことができます。これにより、お客様が運輸支局に車両を持ち込む手間を省くことができます。乙種や丙種で対応できないケース(例えば、JUに加盟していない中古車販売店が販売した車両や、個人間の譲渡など)にも対応できる幅広い業務範囲を持ちます。
自動車の変更登録とは
自動車の変更登録とは、すでに登録されている自動車の登録内容に変更があった場合に行う手続きのことです。
道路運送車両法第12条に規定されており、変更が生じた日から15日以内に申請することが義務付けられています。
自動車の変更登録に関する条文は以下です。
第12条(変更登録)
「登録自動車について、第4条第1項の国土交通省令で定める事項について変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、所有者の変更にあつては新所有者が、その他の変更にあつては所有者が、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の行う変更登録の申請をしなければならない。ただし、永久抹消登録をすべき場合又は第13条の規定による移転登録若しくは第15条の2の規定による輸出抹消登録の申請をすべき場合は、この限りでない。」
このように自動車の所有者や住所、使用の本拠の位置など、登録事項に変更があった場合の「変更登録」について定めています。
また変更登録が必要な事柄が生じたにもかかわらず、手続きを怠ると、道路運送車両法第109条に基づき50万円以下の罰金が科される可能性があります。
変更登録が必要となる代表的なケースは以下の通りです。
・所有者または使用者の氏名・名称または住所・本拠地の変更。
・車両の構造・装置の変更・・・エンジン、車体の長さ・幅・高さ、乗車定員、最大積載量などの変更。
・使用者の変更・・・所有者は変わらないが、使用者のみが変わる場合。
注意点として所有者の変更(売買、譲渡など) の場合は、移転登録という別の手続きになります。
自動車の移転登録とは
自動車の移転登録とは、自動車の所有者が変わった際に行う手続きのことです。
道路運送車両法第13条に規定されており、所有者の変更があった日から15日以内に申請することが義務付けられています。
こちらも移転登録が必要な事柄が生じたにもかかわらず、手続きを怠ると、道路運送車両法第109条に基づき50万円以下の罰金が科される可能性があります。
移転登録が必要となるのは、主に以下のような所有権の移転があった場合です。
・売買による所有権の移転・・・中古車販売店から自動車を購入した場合。個人間で自動車を売買した場合。*車検が切れている場合は新規登録となります。
・贈与による所有権の移転・・・親から子へ、友人から友人へなど、無償で自動車を譲り受けた場合。
・相続による所有権の移転・・・自動車の所有者が亡くなり、相続人がその自動車を引き継ぐ場合。
所有者は変わらず、住所や氏名が変わるだけの場合は上述した「変更登録」 となります。
変更登録と移転登録の際のナンバープレートの変更と封印について
自動車の変更登録や移転登録をする場合は原則としてナンバープレートの変更が必要ですが、変更前と運輸支局の管轄が同じである場合は、ナンバープレートの変更と封印は不要です。
登録手続きをするだけでそのまま乗ることができます。
運輸支局の管轄が異なる場合は、原則通りナンバープレートの変更が必要です。
ナンバープレートを変更する場合は封印も必要となり、車両を運輸支局に持ち込んで封印してもらうか行政書士に依頼し出張封印をしてもらうことになります。
以上、京都での自動車登録と新規登録、変更登録、移転登録の違いについてでした。
ご参考になりましたら幸いです。

