判決の効力には3つあり、既判力、形成力、拘束力があります。
形成力とは取消し判決が認容された場合、さかのぼって効力を失うという効果です。
形成力には第三者効があるため第三者にも効力を有します。
取消訴訟の仮の救済手段である執行停止にも第三者効の規定が準用されています。
ちなみに差止め訴訟や義務付け訴訟には第三者効の規定は準用されていません。
行政事件訴訟法は行政の処分に対して訴えを起こすもので、その行政の処分に第三者が関わってくるか否かで第三者効の規定が準用されるかどうかが決まっています。
例えば取消訴訟の場合、住民が保育園の運営許可の取消しを市に対して訴えて許可の取消が認められたとします、このとき訴訟の当事者である住民でも市でもない保育園の運営者にも取消の効力が及ぶので運営できなくなるというのが第三者効です。そして運営許可をしたことをなかったことにするのが形成力です。
執行停止の場合も同様でとんでもない危ない保育園で執行停止が認められた場合、当然保育園の運営者は保育園を運営できません。これが第三者効です。
差し止め訴訟の場合は、状況として保育園の運営を許可する前なので許可を差し止めることでそもそも運営ができなくなるため第三者効を認める必要性がないということです。
義務付けの訴訟も単独で提起するものではないので取消訴訟に第三者効があれば十分ということです。
ここまで見ると勝手に第三者効が生じるように見えますがもちろん第三者である保育園の運営者も第三者として訴訟には参加することになります。
裁判所は、訴訟の結果により権利を害される第三者があるときは、当事者若しくはその第三者の申立てにより又は職権で、決定をもつて、その第三者を訴訟に参加させることができます。
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