判例では大学の主体は大学の教授や研究者にあり、学生ではないと判断されました。
大学の学生ととして学問の自由を享有できるのは大学教授や研究者の有する学問の自由と自治の効果にすぎないと示されています。
つまり本件の大学内での政治的な集会は大学の学問の自由と自治を享有するものではないため憲法23条に違反しないことになります。
日本国憲法の第23条は「学問の自由は、これを保障する」と定めており、学問研究の自由、研究発表の自由、教授(教育)の自由などが含まれると考えられています。大学が学術の中心として真理を探究することを本質とすることを鑑みて規定されており、大学の教授や研究者を対象とするものであり、国民一般はその保障の対象ではありません。
大学の学問の自由と自治は、大学が学術の中心として深く真理を探求し、専門の学芸を教授研究することを本質とすることに基づくから、直接には教授その他の研究者の研究、その結果の発表、研究結果の教授の自由とこれらを保障するための自治とを意味すると解される。大学の施設と学生は、これらの自由と自治の効果として、施設が大学当局によつて自治的に管理され、学生も学問の自由と施設の利用を認められるのである。もとより、憲法23条の学問の自由は、学生も一般の国民と同じように享有する。しかし、大学の学生としてそれ以上に学問の自由を享有し、また大学当局の自治的管理による施設を利用できるのは、大学の本質に基づき、大学の教授その他の研究者の有する特別な学問の自由と自治の効果としてである。
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