🚚京都で軽自動車運送事業(黒ナンバー)の経営届出ガイド:開業への第一歩

軽トラックや軽バンなどの軽自動車を使って、他人の荷物を有償で運送する事業を「貨物軽自動車運送事業」と呼びます。一般的に「軽貨物運送事業」や「黒ナンバー事業」とも呼ばれ、個人事業主として比較的低コストで開業できるため人気が高まっています。

この事業を始めるためには、国土交通省の管轄する運輸支局へ「貨物軽自動車運送事業経営届出書」を提出する必要があります。これは「許可」ではなく「届出」で済むため、比較的短期間で事業を開始できるのが大きな特徴です。

1. 届出に必要な主な書類

軽貨物運送事業の経営届出を行う際に、運輸支局に提出が必要な主な書類は以下の通りです。

書類名概要備考
貨物軽自動車運送事業経営届出書事業の開始、代表者情報、営業所、使用車両などを記載した事業の基本情報届出書。正・控えの計2部。
運賃料金表運賃・料金の種類、額、適用方法などを記載したもの。「運賃料金設定(変更)届出書」と共に提出する場合が多い。正・控えの計2部。
事業用自動車等連絡書車両情報や車庫に関する情報を記載し、軽自動車検査協会での黒ナンバー取得に必要となる書類。運輸支局の受領印が必要です。
車検証のコピー使用する軽自動車の車検証(自動車検査証)。新車の場合は、車台番号が確認できる書面(完成検査修了証の写しなど)が必要な場合があります。

💡 ポイント: 届出に必要な様式は、各運輸支局のウェブサイトでダウンロードできることがほとんどです。

2. 届出の主な基準・要件

届出制とはいえ、事業の適正な運営を確保するため、一定の基準を満たす必要があります。主な要件は以下の通りです。

🏢 営業所と車庫(駐車場)

  • 営業所と車庫の距離: 原則として、車庫は営業所に併設されていること。併設できない場合は、営業所から車庫までの距離が2km以内であることが求められます。
  • 収容能力: 計画するすべての車両を収容できる規模であること。
  • 使用権原: 営業所・車庫ともに、申請者が使用する権原(賃貸借契約書など)を有していること。
  • 法令遵守: 都市計画法や建築基準法などの関係法令に違反していないこと。

🚗 車両

  • 車種: 軽自動車であること。(2022年10月27日より、軽乗用車も使用可能となりましたが、貨物軽自動車運送事業の経営届出が必要です。)
  • 用途: 車検証の用途欄が「貨物」であること(軽乗用車を除く)。

📋 その他

  • 運行管理体制: 事業用自動車の運行を管理するための体制が適切に整備されていること。
  • 損害賠償能力: 自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)に加え、任意保険への加入が推奨されます。
  • 運送約款: 「標準貨物軽自動車運送約款」を使用する旨を記載します。

3. 開業までの流れ(ざっくりとした手順)

  1. 車両・営業所・車庫の準備: 運送に使用する軽自動車と、営業所・車庫を確保し、上記要件を満たしているか確認します。
  2. 運輸支局へ届出: 管轄の運輸支局に必要書類一式を提出します。この際、書類に不備がなければ受理され、「事業用自動車等連絡書」に受領印が押されます。
  3. 軽自動車検査協会で「黒ナンバー」取得: 運輸支局の受領印が押された「事業用自動車等連絡書」などを持参し、管轄の軽自動車検査協会でナンバープレートを交換します。
  4. 事業開始: 黒ナンバーを取り付けた車両で、晴れて軽貨物運送事業を開始できます。

⚠️ 注意: 届出は費用がかかりませんが(ナンバープレート交換費用などは別途必要)、届出事項に変更が生じた場合は「貨物軽自動車運送事業経営変更等届出書」を提出する必要があります。


軽自動車運送事業は、物流業界で活躍する上で比較的手軽に始められる事業形態です。上記の情報を参考に、適切な手続きでスムーズな開業を目指しましょう。

👨‍💼 行政書士に依頼するメリットと費用

貨物軽自動車運送事業の届出はご自身で行うことも可能ですが、初めて開業される方や、本業の準備に集中したい方には、行政書士への依頼が非常に有効な選択肢となります。

1. 行政書士に依頼するメリット

行政書士は、官公署に提出する書類作成や手続き代行の専門家です。依頼することで、以下のような明確なメリットが得られます。

メリット詳細
✅ 書類作成の確実性必要な書類の様式、記載事項の漏れや誤りを防げます。運賃料金表や約款など、専門的な書類も適切に作成してもらえます。
✅ スピードと円滑な手続き届出の要件(営業所、車庫の基準など)に関する最新の運用状況を把握しているため、書類不備による手続きの遅延リスクを大幅に軽減し、スムーズに黒ナンバーを取得できます。
✅ 運輸支局とのやり取り代行運輸支局や軽自動車検査協会との事前相談、書類提出、補正対応(書類の修正指示への対応)などの煩雑なやり取りを全て任せられます。
✅ 開業準備への集中届出の手続きにかかる時間と労力を削減できるため、車両の準備、営業活動、資金計画など、事業開始に本当に必要な準備に集中できます。

2. 依頼費用の目安(行政書士報酬)

軽自動車運送事業の経営届出(黒ナンバー取得)を行政書士に依頼する場合の費用(報酬)は、事務所や依頼するサポート範囲によって異なりますが、一般的には以下の範囲が目安となります。

サポート範囲報酬額の目安
書類作成・届出代行のみ30,000円〜50,000円(税別)程度
フルサポート(届出・黒ナンバー取得まで)45,000円〜66,000円(税別)程度

📝 報酬に含まれない費用

行政書士への報酬のほかに、実費として以下の費用が別途必要になります。

  • ナンバープレートの交付手数料(約1,500円~)
  • 住民票や登記事項証明書などの公的書類の取得費用
  • 郵送費、交通費など

行政書士のサポートを受けることで、迅速かつ確実に事業のスタートを切ることができます。