京都府の住民税について行政書士FPが解説します。

住民税とは

住民税とは都道府県や市区町村が行う行政サービスにかかる費用を、その地域に住む住民が分担して支払う地方税のことです。
市民税と府民税がありこの二つの総称が住民税です。
住民税は私たちが普段利用している身近な公共サービス(教育、福祉、消防・救急、ゴミ処理、道路の整備、公園の管理など)の財源として活用されています。

教育: 学校の運営、図書館、生涯学習施設など
福祉: 高齢者支援、子育て支援、障がい者福祉、生活保護など
消防・救急: 消防署の運営、救急活動、防災対策など
都市整備: 道路の建設・整備、公園の維持管理、上下水道など
衛生: ごみ処理、保健所の運営、病院事業など
環境: 森林の整備(森林環境税)、自然保護など
観光・文化・スポーツ: 観光振興、文化施設の運営、スポーツ振興など

住民税は国に納める所得税とは異なり、都道府県や市区町村に納めます。
住民税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間で得た所得に基づいて計算されます。
「所得割」と「均等割」の2つで課税されます。
所得割とは前年の所得に応じて課税される部分です。
所得が多いほど税額も高くなります。
標準税率は道府県民税4%、市町村民税6%で、合計10%です。
一方、均等割は所得の有無にかかわらず、一定額が課税される部分です。
一般的には合計で5,000円(市町村民税3,000円、道府県民税1,000円、森林環境税1,000円)が標準ですが、自治体によって独自の超過課税があります。

会社員など給与所得者の場合、勤務先が毎月の給与から天引きして、代わりに自治体に納めます。
個人事業主や年金受給者、退職者などで特別徴収の対象とならない場合、自治体から送付される納税通知書に基づいて、自分で金融機関やコンビニエンスストアなどで納付します。
通常、年4回(6月、8月、10月、翌年1月)に分けて納付します。

住民税は計算後の所得に対して課税されるため、経費や控除の対象にはなりません。

京都府の住民税

京都府の住民税は、都道府県民税(京都府の場合は「府民税」)と、お住まいの市町村に納める「市町村民税」(京都市であれば「市民税」、その他の市町村では「町民税」や「村民税」など)を合わせたものです。

これらがまとめて計算され、市町村から「市・府民税」として通知・徴収されます。

1.住民税の構成と税率
京都府の住民税は、他の自治体と同様に以下の2つの要素で構成されます。

    均等割: 所得の有無にかかわらず、一定の金額を負担する部分。
    所得割: 前年の所得金額に応じて負担する部分。
    それぞれの税率(令和6年度以降の標準的なもの)は以下の通りです。

    区分均等割(年額)所得割税率
    市町村民税3,000円6%
    府民税1,600円4%
    森林環境税1,000円(国税)(所得割なし)
    合計5,600円10%

    府民税の均等割1,600円のうち、600円は京都府が「豊かな森を育てる府民税」として超過課税しています。
    これは、森林の整備・保全などに活用される目的税です。
    この超過課税は令和7年度(2025年度)まで続く予定とされています。
    森林環境税は令和6年度(2024年度)から新たに導入された国税で、個人住民税均等割と併せて一人年額1,000円が徴収されます。
    これは、森林整備や林業の担い手育成などに使われる財源となります。

    2.住民税の計算方法
    住民税の年税額は、基本的には以下の式で計算されます。

      住民税額 = 均等割額 + 所得割額

      所得金額の算出: 前年1月1日から12月31日までの収入金額から、必要経費(給与所得控除など)を差し引いて、所得金額を計算します。
      医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除など、各種所得控除額を合計します。
      所得金額 - 所得控除額 = 課税標準額 (千円未満は切り捨て)
      課税標準額 × 所得割税率(府民税4% + 市町村民税6% = 10%) = 算出所得割額
      算出所得割額 - 税額控除額(調整控除、配配当控除、住宅借入金等特別税額控除、寄附金控除など) = 所得割額 (百円未満は切り捨て)

      3.非課税となる基準
      前年の合計所得金額が一定額以下の場合は、住民税が非課税となります。
      非課税基準は、市町村によって若干異なる場合や、扶養親族の有無によって変動します。

      均等割も所得割も非課税となる場合
      生活保護法の規定による生活扶助を受けている方。
      障害者、未成年者、ひとり親、または寡婦で、前年中の合計所得金額が135万円以下の方。
      上記以外の方で、前年の合計所得金額が以下の金額以下の方。
      扶養親族がいない方:45万円以下
      扶養親族がいる方:35万円 × (本人 + 扶養親族の人数) + 42万円 以下

      所得割のみ非課税となり、均等割は課税される場合
      前年中の総所得金額等が以下の金額以下の方。
      扶養親族がいない方:45万円以下
      扶養親族がいる方:35万円 × (本人 + 扶養親族の人数) + 42万円 以下
      ※「合計所得金額」と「総所得金額等」は、計算方法が異なりますので注意が必要です。

      ご自身の住民税額を知りたい場合は、毎年5月から6月頃に送付される「市・府民税 税額決定通知書」で確認できます。

      また税額の試算も以下のサイトで可能です。

      京都市:個人市・府民税
      同意画面|京都市|住民税額シミュレーション

      以上、京都府の住民税についての解説でした。

      ご参考になりましたら幸いです。

      この記事を書いた人
      京都安心行政書士事務所

      【保有資格】
      ・行政書士(日本行政書士会連合会登録/京都府行政書士会所属)・ファイナンシャルプランニング技能士3級(資産設計提案業務)・宅地建物取引士試験合格

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