行政書士が行う入管業務とは
行政書士にとっての「入管業務」とは、外国人が日本に入国・在留するための各種手続きを、法律の専門家としてサポートする業務全般を指します。
具体的には、出入国在留管理庁(旧:入国管理局)に対して行う、様々な申請手続きの代理・代行を行います。
入管業務の主な内容
行政書士が行う入管業務は多岐にわたりますが、代表的なものとしては以下のものが挙げられます。
在留資格認定証明書交付申請
日本に初めて入国する外国人(短期滞在を除く)が、日本での活動内容に応じて、事前に取得する必要がある証明書です。
行政書士は、企業や外国人本人からの依頼を受けて、この証明書の交付申請手続きを代行します。
在留資格変更許可申請
日本に在留中の外国人が、現在の在留資格(例:留学生)から別の在留資格(例:就労ビザ)に変更したい場合に、その許可を得るための申請です。
在留期間更新許可申請
現在持っている在留資格のままで、さらに日本に滞在し続けたい場合に、その期間の更新許可を得るための申請です。
永住許可申請
日本に長期間滞在している外国人が、永住者としての資格を得るための申請です。
永住者になると、在留期間の制限がなくなり、活動内容の制限も大幅に緩和されます。
資格外活動許可申請
留学生がアルバイトをする場合など、本来の在留資格で認められている活動以外の活動を行うための許可申請です。
就労資格証明書交付申請
転職などで勤め先が変わる際に、新しい勤務先での活動が現在の就労資格に合致していることを証明するための書類の交付申請です。
これにより、転職後の在留期間更新などがスムーズになります。
再入国許可申請
日本に在留中の外国人が一時的に海外へ出国し、再び日本に戻ってくる場合に必要となる許可です。
帰化申請(日本国籍の取得)
外国籍の方が日本の国籍を取得し、日本人となるための手続きのことです。
行政書士に手続きを依頼するメリット
外国人が日本で生活するために必要なビザ(在留資格)の取得・更新や永住申請など、出入国在留管理庁(入管)に関する手続きは、非常に複雑で専門的な知識が求められます。
行政書士にこれらの手続きを依頼することには、以下のような多くのメリットがあります。
入管に関する法規は頻繁に改正され、また個別のケースによって判断基準も異なります。
行政書士はこれらの最新情報を把握し、適切な申請書や添付書類の作成、有利な説明を行うことができます。
不慣れな方が自分で申請すると、書類の抜け漏れや記載ミス、不適切な表現などによって不許可になるリスクが高まります。
行政書士は、これらの不備をなくし、許可につながる正確な申請をサポートすることができます。
行政書士の中でも「申請取次行政書士」の資格を持つ者であれば、依頼人に代わって入管へ申請書類を提出することができます。
入管は平日日中しか開庁しておらず、非常に混雑するため、申請のために何時間も待つ必要がなくなります。
これは、仕事や学業に集中したい方にとって大きなメリットです。
申請には、日本の役所(市区町村役場、法務局など)で発行される公的書類が多く必要になります。
行政書士は、これらの書類の収集を代行できるため、依頼人は役所に行く手間を省くことができます。
複雑な申請書や理由書などの作成も行政書士がサポートができるため、日本語に不安がある外国人の方でも安心して手続きを進められます。
もちろん、行政書士に依頼すると費用が発生するというデメリットはあります。
しかし、上記のメリットを総合的に考えると、時間や労力を節約し、何よりもビザ取得の可能性を高めることができるため、結果的に費用対効果が高いと考えられます。
特に、重要なビザ申請や複雑なケースの場合は、専門家である行政書士に依頼するメリットは大きいと言えます。
在留資格とビザの違いについて
「在留資格」と「ビザ(査証)」は、外国人が日本に入国・滞在する上で非常によく混同される言葉ですが、厳密には異なる役割を持つものです。
ざっくりとしたイメージで言うと、
ビザ(査証):日本に入国するための「推薦状」
在留資格:日本に滞在して活動するための「許可」
という違いがあります。
日本で申請するのは在留資格のことを指していることが多いのですが一般的には在留ビザと呼ばれています。
よくある誤解としてニュースなどで「就労ビザ」「留学ビザ」という言葉が使われることがありますが、これは厳密には「就労を目的とした在留資格」や「留学を目的とした在留資格」を指す通称です。
日常会話では問題ありませんが、法律や行政手続きにおいては「在留資格」という言葉を使うのが正確です。
ビザ(査証/Visa)とは
外務省の管轄下にある、海外の日本大使館・領事館(在外公館) が発行します。
外国人が持っているパスポート(旅券)が有効であることの確認。
その外国人が日本に入国しても問題がないことの「推薦」。
という意味があります。
ビザはあくまで入国審査を受けるための準備段階であり、ビザがあるからといって必ず日本に入国できるわけではありません。
最終的な入国の可否は、日本の空港などで行われる入国審査(上陸審査)で判断されます。
有効期間は通常は数ヶ月間(例:3ヶ月)で、その期間内に入国審査を受ける必要があります。
日本に入国し、上陸許可が下りると、ビザはその役割を終えます。
日本のビザには、外交査証、公用査証、就業査証、一般査証、短期滞在査証など、8種類の主要なビザがあります。
在留資格(Status of Residence)とは
法務省の管轄下にある、日本の出入国在留管理庁(旧:入国管理局) が許可します。
行政書士が取り扱う申請は主にこちらになります。
外国人が日本に滞在し、特定の活動(例:就労、留学、家族滞在など)を行うことを法的に許可するものです。
この資格があることで、外国人は日本に合法的に滞在し続けることができます。
在留資格が許可されると、「在留カード」が交付され、身分証明書としての効力も持ちます(短期滞在を除く)。
有効期間は在留資格ごとに定められた滞在期間(例:1年、3年、5年など)があり、その期間を超えて滞在する場合は更新手続きが必要です。
現在、日本には29種類の在留資格があります。大きくは「活動資格」(就労系、留学、文化活動など)と「身分・地位に基づく資格」(永住者、日本人の配偶者等など)に分けられます。
このように、ビザは「入国するための推薦状」であり、在留資格は「入国後の日本での滞在と活動を許可する資格」であるという明確な違いがあります。
在留資格取得の具体的な流れ
外国人が日本で生活・活動する場合の一般的な流れは以下のようになります。
①在留資格認定証明書交付申請(日本国内)
日本で受け入れる企業や学校、または外国人本人の代理人が、日本の出入国在留管理庁に、その外国人が日本で行う活動に合わせた「在留資格認定証明書」の交付を申請します。
これは、その外国人が日本に滞在する資格があることを事前に証明してもらうためのものです。
②ビザ(査証)申請(海外)
在留資格認定証明書が交付されたら、外国人はそれを本国の日本の大使館・領事館に提出し、ビザの申請を行います。
大使館・領事館は、この在留資格認定証明書を見て、その外国人が日本に入国しても問題ないと判断すれば、ビザを発給します。
③日本へ入国・在留資格の取得
ビザを受け取った外国人は、パスポートと在留資格認定証明書、ビザを持って日本へ入国します。
日本の空港などで入国審査官が最終的な判断を行い、問題がなければ「上陸許可」を与え、その場で在留資格が決定され、在留カードが交付されます。
この時点で、ビザの役割は終了し、以降は在留資格に基づいて日本に滞在することになります。
京都での在留資格(ビザ)申請の流れ
京都にお住まいの外国籍の方が、日本でのビザ(在留資格)の申請を行う際の流れについて解説します。
1.申請の種類と目的の明確化
まず、ご自身の状況と目的に合わせて、どのようなビザ(在留資格)を申請するのかを明確にします。
新規申請: 海外から日本に入国する際に取得するビザ(在留資格認定証明書交付申請)
変更申請: 現在持っている在留資格から別の在留資格に変更する(例:留学→就労)
更新申請: 現在持っている在留資格の期間を延長する
永住申請: 永住権を取得する
その他: 再入国許可、資格外活動許可など
2.必要書類の確認と準備
申請するビザの種類によって、必要書類は大きく異なります。
申請に必要な書類は、必ず出入国在留管理庁の公式ウェブサイトで確認します。
各在留資格ごとに詳細な必要書類リストが掲載されています。
一般的な必要書類の例
申請書(出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロード)
証明写真
パスポート
在留カード(日本に滞在中の場合)
住民票
在職証明書、納税証明書、預貯金残高証明書など(就労系ビザの場合)
入学許可書、成績証明書など(留学ビザの場合)
理由書、雇用契約書、活動内容を証明する資料など
身元保証書(身元保証人がいる場合)
その他、申請内容に応じて多岐にわたる書類が必要になります。
必要書類を漏れなく収集し、日本語での作成が必要な書類は正確に記入します。
外国語の書類は、日本語訳を添付する必要があります。
3.申請書の提出
京都にお住まいの場合、申請書の管轄は、大阪出入国在留管理局となりますが、京都市内に大阪出入国在留管理局の京都出張所があります。
名称: 大阪出入国在留管理局 京都出張所
住所: 〒606-8395 京都府京都市左京区東丸太町34−12
電話番号: 075-752-5997
提出は原則として、ご本人が直接入管に出頭して申請書を提出します。
入管は非常に混雑することが多いため、時間に余裕を持って出かけることをお勧めします。
提出を行政書士に依頼する場合は、「申請取次行政書士」であれば、ご本人の出頭なしで手続きを進められます。
4.審査期間
申請書類を提出した後、入管による審査が行われます。
審査期間は申請内容や時期によって大きく異なりますが、一般的には以下のようになります。
更新・変更申請: 数週間〜数ヶ月(1ヶ月〜3ヶ月程度が多い)
永住申請: 数ヶ月〜1年以上
在留資格認定証明書交付申請: 数週間〜数ヶ月
審査期間中、入管から追加書類の提出を求められたり、面接を求められたりすることもあります。
5.審査結果の通知と手続き
在留資格認定証明書交付申請(新規入国の場合)が許可された場合
在留資格認定証明書が送付されます。
これを海外のご家族などに送り、現地の日本大使館・領事館でビザの発給を受け、日本に入国できます。
更新・変更申請、永住申請が許可された場合
ハガキ(通知書)が郵送されます。
このハガキとパスポート、在留カード(更新・変更の場合)などを持参して、再度出頭し、新しい在留カードの交付を受けたり、パスポートに証印を受けたりします。
不許可になった場合
ハガキ等で通知されます。
不許可理由を知りたい場合は、入管に出頭して説明を受けることができます。
不許可理由によっては、再申請や異議申し立てを検討することも可能です。
複雑な申請や、ご自身で入管に出向く時間がない場合は、京都を拠点とする行政書士に依頼することをおすすめします。
上述の通り、申請取次行政書士であれば、入管への出頭を代行してもらえます。
ご自身の状況に合わせて、焦らず、正確に手続きを進めることが大切です。
当事務所では代行費用を以下の安心価格でお受けしております。
在留資格(ビザ)の取得を親切丁寧にサポートさせていただきます。
相談、質問は【無料】で受付けておりますのでお気兼ねなくご連絡くださいませ。
